国立研究開発法人国立環境研究所メールマガジン3月号
2016/03/02 (Wed) 14:15
■=====================================■
メールマガジン2016年3月号
発行:国立研究開発法人国立環境研究所 企画部広報室
メールマガジンに関するお問い合わせ: kouhou0@nies.go.jp
ホームページ: http://www.nies.go.jp/
■=====================================■
地球温暖化の影響を把握し、対策を進めるには、温室効果ガスの排出量や吸収量
(温室効果ガスインベントリ)を知ることが欠かせません。国立環境研究所では、
温室効果ガスインベントリを算定するための研究から、温暖化が進行するとどのよう
な影響があるのか、温暖化を抑制しその影響を軽減するためにどうすればいいのか、
社会の仕組みをどのように変えていけばいいかなど、日々研究しております。
今回は、温室効果ガスインベントリ報告書や、地球温暖化の影響が現れやすい高山
帯モニタリングについてご紹介しています。また、地球環境研究センターニュースで
は、パリで行われたCOP21/CMP11で地球温暖化に関連して日本政府が行ったサイドイ
ベントの様子をお伝えしておりますので、ご覧ください。
他にも、花粉症やPM2.5に関する情報も掲載しておりますので、よろしければご覧
ください。
それではNIESメールマガジン2016年3月号をお届けいたします。 〈R.T〉
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -CONTENTS- - - - - - - - - - - - - - - - - - -
【報道発表】
1)高山帯モニタリングに係る長野県と国立環境研究所との基本協定締結式のお知
らせ
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2016/20160215/20160215.html
2)第1回NIES国際フォーラム『アジアにおける持続可能な未来:熱望を行動に換
えて』 (1st NIES International Forum “Sustainable Future in Asia: Converting
Aspirations to Actions”) の開催報告について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2016/20160212/20160212.html
3)東日本大震災及び福島原発事故後の岩手県から千葉県に至る潮間帯生物の
調査結果~福島第一原発近傍、特に南側の地点で種類数と棲息量が減少~
(Scientific Reports 掲載論文)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2016/20160204/20160204.html
【刊行案内】
1)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌 オンラインマガジン環環
2016年2月号掲載
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201602.html
2)CGERリポート「放射観測機器の校正に関する技術報告書」を掲載
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i124/
3)CGERリポート「日本国温室効果ガスインベントリ報告書2015年4月」を掲載
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i123/
4)CGERリポート「National Greenhouse Gas Inventory Report of JAPAN April,
2015」を掲載
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i122/ja/
5)地球環境研究センターニュース2016年2・3月号「国連気候変動枠組条約第21
回締約国会議(COP21)および京都議定書第11回締約国会合(CMP11)報告」発
行
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/
【更新情報】
1)春にピークを迎えるPM2.5、子どもへ影響は?
(子供とお出かけ情報「いこーよ」の記事へ移動します)
http://iko-yo.net/articles/1041
2)NIES国際フォーラムレポート【第3弾:アジアにおける「生物多様性と生態系」と
「環境モニタリング」】を掲載しました
http://www.nies.go.jp/event/forum/ifsfa/20160215.html
3)この時期は、花粉も測っています!地域環境研究センターHPに花粉を測る「は
なこさん」の記事を掲載しました
http://www.nies.go.jp/chiiki/hanako_san.html
4)環境GIS「自動車騒音の常時監視結果」に2014年度データを追加しました
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2016/20160204/20160204_2.html
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
【報道発表】
1)高山帯モニタリングに係る長野県と国立環境研究所との基本協定締結式のお
知らせ
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2016/20160215/20160215.html
国立研究開発法人国立環境研究所では地球温暖化の影響が現れやすい高
山帯の生態系を高解像度定点カメラにより連続撮影し、その画像解析を行って
長期的な変化を解析する研究を進めてきました。この研究では多くの撮影ポイ
ントを長野県内の高山帯に設置していますが、その撮影ポイントの新設を含
め、今後、長野県と国立環境研究所がさらに緊密な協力を進めることで関係者
が一致しています。
このたび、長野県内の高山帯モニタリングを今後一層推進するため、関係者
による具体的な連携事項を盛り込んだ基本協定を締結しました。
基本協定締結式は、平成28年2月19日(金)に長野県庁で行い、阿部守一
長野県知事と向井人史国立環境研究所地球環境研究センター長(住明正理事
長代理)が協定書を取り交わしました
2)第1回NIES国際フォーラム『アジアにおける持続可能な未来:熱望を行動に換
えて』 (1st NIES International Forum “Sustainable Future in Asia: Converting
Aspirations to Actions”) の開催報告について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2016/20160212/20160212.html
国立研究開発法人国立環境研究所(NIES)は、アジア地域の環境問題の解決に
資することを目的として、2016年1月27日(水)~28日(木)にタイを拠点とするアジ
ア工科大学院(AIT)において、第1回NIES国際フォーラム『アジアにおける持続可能
な未来:熱望を行動に換えて』(1st NIES International Forum “Sustainable
Future in Asia: Converting Aspirations to Actions”)を開催しました。本フォー
ラムでは、アジア地域において注目される4つのテーマ(低炭素社会の構築、廃棄物
管理、生物多様性と生態系、環境モニタリング)について講演と議論を行い、また、
各分野の専門家を招いてのパネルディスカッションも行いました。フォーラムの最後
には主催者らによる共同声明を発表しました。
3)東日本大震災及び福島原発事故後の岩手県から千葉県に至る潮間帯生物の
調査結果~福島第一原発近傍、特に南側の地点で種類数と棲息量が減少~
(Scientific Reports 掲載論文)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2016/20160204/20160204.html
国立環境研究所は、放射線医学総合研究所と福島県の協力のもと、2011年
12月14日に東京電力福島第一原子力発電所(1F)の半径20km圏内(警戒区
域;当時)の16地点で潮間帯生物に関する予備調査を行い、それ以降も千葉県
から岩手県に至る沿岸各地の潮間帯で調査を行ってきています。
2011年~2013年までの調査の結果、1Fに近づくにつれて潮間帯に棲息する
無脊椎動物の種類数が統計学的に有意に減少し(P<0.001)、特に1F南側の地
点(大熊町と富岡町)で無脊椎動物の種類数とともに棲息量も統計学的に有意
に少ない(P<0.05)ことが明らかとなりました。また、大熊町と富岡町における無
脊椎動物の棲息量は1995年の同種の調査結果と比較しても少ないことがわか
りました。すなわち、震災・原発事故の後、1F近傍、特に南側で潮間帯生物の棲
息量が減少したとみられます。大津波を受けた他地点との比較から、1F近傍に
おける潮間帯生物の減少が津波のみで引き起こされたとは考えにくく、原発事故
による可能性がありますが、今後、詳細な原因究明が必要です。
この研究成果をまとめた論文が、2016年2月4日(日本時間19時)に英国
科学誌(オープンアクセスジャーナル)「Scientific Reports」に掲載されました。
【刊行案内】
1)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌 オンラインマガジン環環
2016年2月号掲載
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201602.html
・循環・廃棄物の基礎講座: 山本貴士「PoPs条約の最近の動向」
・循環・廃棄物の豆知識: 松神秀徳「日用品に隠れたPoPs」
・活動レポート: 倉持秀敏「カナダ・トロント大学滞在記」
2)CGERリポート「放射観測機器の校正に関する技術報告書」を掲載
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i124/
地球温暖化とその影響を把握するためには、気象(気候)要素を精度よく観測
することが不可欠で、中でも、気候システムを理解する上で大気放射の観測が重
要です。
本刊行物は、ワーキンググループ委員が執筆の中心となり、精度よく放射観
測を実施する上で、放射観測機器の利用者にとって参考となる情報を集約したも
のです。
3)CGERリポート「日本国温室効果ガスインベントリ報告書2015年4月」を掲載
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i123/
気候変動枠組条約および締約国会議の決定に従い、本報告書では、日本に
おける温室効果ガスインベントリの作成体制、各排出源及び吸収源による温室効
果ガスの排出量及び吸収量の推計手法、温室効果ガスの1990–2013年度の排
出及び吸収状況を整理した。
4)CGERリポート「National Greenhouse Gas Inventory Report of JAPAN April,
2015」を掲載
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i122/ja/
CGERリポート「日本国温室効果ガスインベントリ報告書2015年4月」の英語版。
5)地球環境研究センターニュース2016年2・3月号「国連気候変動枠組条約第21
回締約国会議(COP21)および京都議定書第11回締約国会合(CMP11)報告」発
行
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/
・国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)および京都議定書第11
回締約国会合(CMP11)報告[1]政府代表団メンバーからの報告:「強制」から
「誘導」へ~各国目標をめぐるパリCOPの成果
・国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)および京都議定書第11
回締約国会合(CMP11)報告 [2] COP21ジャパンパビリオンでのサイドイベン
ト報告:ポストCOP21における国の気候変動緩和策の進捗を計測するための
指標開発を目指した研究の概要紹介と成果報告
・国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)および京都議定書第11
回締約国会合(CMP11)報告 [3] 低炭素社会国際研究ネットワーク
(LCS-RNet)と低炭素アジア研究ネットワーク(LoCARNet)COP21でのサイド
イベント報告
・予測の予測:世界平均気温変化に関して、いつまでにどれだけ確実にわかる
のか?
・地球環境概観第5次報告書(GEO5)~人間社会にとって深刻な影響をもたら
す臨界閾値に近づきつつある地球~
・インタビュー「地球温暖化の事典」に書けなかったこと [10] 植生と気候の相互
作用の解明-陸面過程のより普遍的な理解を目指して-
・陸域生態系を多角的に観る 日本学術会議公開シンポジウム「生態系計測・モ
ニタリングの最前線」参加報告
・衛星による地球観測の現状と今後の展望 -地球観測連携拠点(温暖化分野)
平成27年度ワークショップ開催報告-
・環境研究総合推進費の研究紹介 [17] 変動の激しい北半球中高緯度のオゾ
ン層破壊を理解する 環境研究総合推進費2-1303「将来の温暖化条件下で
のフロン対策強化によるオゾン層の脆弱性回避に関する研究」
・西表島の児童・生徒の皆さんと一緒に気候変動を考える
・平成27年度スーパーコンピュータ利用研究報告会を開催しました
・オフィス活動紹介:温室効果ガスインベントリオフィス(GIO) 温室効果ガスイン
ベントリオフィス(GIO)が扱う統計データ類
・【最近の研究成果】準2年周期振動と太陽11年周期が冬季北半球中高緯度
の気候に及ぼす影響~当該過程に対して対流圏の波の果たす役割の理解~
・酒井広平講師による「検定試験問題を解いてみよう」シリーズ [26] オゾン層
(その2) -3R・低炭素社会検定より-
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
☆地球環境研究センターではFacebookpageを公開しています。様々な研究成果を
簡単にわかりやすく説明し、「今が旬」な情報を提供しています。Facebook
のアカウントを持っていなくても閲覧できます。是非一度ご覧ください。
https://www.facebook.com/niescger
★メルマガバックナンバーはこちらから
http://e.bme.jp/bm/p/bn/list.php?i=niesmailmagazine&no=all
☆当メールマガジンに登録した覚えのない方、また配信が不要な方は、お手数
ですが、下記URLより登録解除の手続きをお願いします。
http://e.bme.jp/bm/p/f/tf.php?id=niesmailmagazine
★当メールマガジンを許可無く転載することはご遠慮願います。
☆当メールマガジンとは別に、最近の記者発表等をその都度お届けする「新着情
報メール」も配信していますので、ご活用ください。
http://www.nies.go.jp/webnews/regist.html#news
■===================================■
メールマガジン2016年3月号
発行:国立研究開発法人国立環境研究所 企画部広報室
メールマガジンに関するお問い合わせ: kouhou0@nies.go.jp
ホームページ: http://www.nies.go.jp/
■=====================================■
地球温暖化の影響を把握し、対策を進めるには、温室効果ガスの排出量や吸収量
(温室効果ガスインベントリ)を知ることが欠かせません。国立環境研究所では、
温室効果ガスインベントリを算定するための研究から、温暖化が進行するとどのよう
な影響があるのか、温暖化を抑制しその影響を軽減するためにどうすればいいのか、
社会の仕組みをどのように変えていけばいいかなど、日々研究しております。
今回は、温室効果ガスインベントリ報告書や、地球温暖化の影響が現れやすい高山
帯モニタリングについてご紹介しています。また、地球環境研究センターニュースで
は、パリで行われたCOP21/CMP11で地球温暖化に関連して日本政府が行ったサイドイ
ベントの様子をお伝えしておりますので、ご覧ください。
他にも、花粉症やPM2.5に関する情報も掲載しておりますので、よろしければご覧
ください。
それではNIESメールマガジン2016年3月号をお届けいたします。 〈R.T〉
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -CONTENTS- - - - - - - - - - - - - - - - - - -
【報道発表】
1)高山帯モニタリングに係る長野県と国立環境研究所との基本協定締結式のお知
らせ
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2016/20160215/20160215.html
2)第1回NIES国際フォーラム『アジアにおける持続可能な未来:熱望を行動に換
えて』 (1st NIES International Forum “Sustainable Future in Asia: Converting
Aspirations to Actions”) の開催報告について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2016/20160212/20160212.html
3)東日本大震災及び福島原発事故後の岩手県から千葉県に至る潮間帯生物の
調査結果~福島第一原発近傍、特に南側の地点で種類数と棲息量が減少~
(Scientific Reports 掲載論文)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2016/20160204/20160204.html
【刊行案内】
1)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌 オンラインマガジン環環
2016年2月号掲載
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201602.html
2)CGERリポート「放射観測機器の校正に関する技術報告書」を掲載
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i124/
3)CGERリポート「日本国温室効果ガスインベントリ報告書2015年4月」を掲載
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i123/
4)CGERリポート「National Greenhouse Gas Inventory Report of JAPAN April,
2015」を掲載
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i122/ja/
5)地球環境研究センターニュース2016年2・3月号「国連気候変動枠組条約第21
回締約国会議(COP21)および京都議定書第11回締約国会合(CMP11)報告」発
行
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/
【更新情報】
1)春にピークを迎えるPM2.5、子どもへ影響は?
(子供とお出かけ情報「いこーよ」の記事へ移動します)
http://iko-yo.net/articles/1041
2)NIES国際フォーラムレポート【第3弾:アジアにおける「生物多様性と生態系」と
「環境モニタリング」】を掲載しました
http://www.nies.go.jp/event/forum/ifsfa/20160215.html
3)この時期は、花粉も測っています!地域環境研究センターHPに花粉を測る「は
なこさん」の記事を掲載しました
http://www.nies.go.jp/chiiki/hanako_san.html
4)環境GIS「自動車騒音の常時監視結果」に2014年度データを追加しました
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2016/20160204/20160204_2.html
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
【報道発表】
1)高山帯モニタリングに係る長野県と国立環境研究所との基本協定締結式のお
知らせ
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2016/20160215/20160215.html
国立研究開発法人国立環境研究所では地球温暖化の影響が現れやすい高
山帯の生態系を高解像度定点カメラにより連続撮影し、その画像解析を行って
長期的な変化を解析する研究を進めてきました。この研究では多くの撮影ポイ
ントを長野県内の高山帯に設置していますが、その撮影ポイントの新設を含
め、今後、長野県と国立環境研究所がさらに緊密な協力を進めることで関係者
が一致しています。
このたび、長野県内の高山帯モニタリングを今後一層推進するため、関係者
による具体的な連携事項を盛り込んだ基本協定を締結しました。
基本協定締結式は、平成28年2月19日(金)に長野県庁で行い、阿部守一
長野県知事と向井人史国立環境研究所地球環境研究センター長(住明正理事
長代理)が協定書を取り交わしました
2)第1回NIES国際フォーラム『アジアにおける持続可能な未来:熱望を行動に換
えて』 (1st NIES International Forum “Sustainable Future in Asia: Converting
Aspirations to Actions”) の開催報告について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2016/20160212/20160212.html
国立研究開発法人国立環境研究所(NIES)は、アジア地域の環境問題の解決に
資することを目的として、2016年1月27日(水)~28日(木)にタイを拠点とするアジ
ア工科大学院(AIT)において、第1回NIES国際フォーラム『アジアにおける持続可能
な未来:熱望を行動に換えて』(1st NIES International Forum “Sustainable
Future in Asia: Converting Aspirations to Actions”)を開催しました。本フォー
ラムでは、アジア地域において注目される4つのテーマ(低炭素社会の構築、廃棄物
管理、生物多様性と生態系、環境モニタリング)について講演と議論を行い、また、
各分野の専門家を招いてのパネルディスカッションも行いました。フォーラムの最後
には主催者らによる共同声明を発表しました。
3)東日本大震災及び福島原発事故後の岩手県から千葉県に至る潮間帯生物の
調査結果~福島第一原発近傍、特に南側の地点で種類数と棲息量が減少~
(Scientific Reports 掲載論文)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2016/20160204/20160204.html
国立環境研究所は、放射線医学総合研究所と福島県の協力のもと、2011年
12月14日に東京電力福島第一原子力発電所(1F)の半径20km圏内(警戒区
域;当時)の16地点で潮間帯生物に関する予備調査を行い、それ以降も千葉県
から岩手県に至る沿岸各地の潮間帯で調査を行ってきています。
2011年~2013年までの調査の結果、1Fに近づくにつれて潮間帯に棲息する
無脊椎動物の種類数が統計学的に有意に減少し(P<0.001)、特に1F南側の地
点(大熊町と富岡町)で無脊椎動物の種類数とともに棲息量も統計学的に有意
に少ない(P<0.05)ことが明らかとなりました。また、大熊町と富岡町における無
脊椎動物の棲息量は1995年の同種の調査結果と比較しても少ないことがわか
りました。すなわち、震災・原発事故の後、1F近傍、特に南側で潮間帯生物の棲
息量が減少したとみられます。大津波を受けた他地点との比較から、1F近傍に
おける潮間帯生物の減少が津波のみで引き起こされたとは考えにくく、原発事故
による可能性がありますが、今後、詳細な原因究明が必要です。
この研究成果をまとめた論文が、2016年2月4日(日本時間19時)に英国
科学誌(オープンアクセスジャーナル)「Scientific Reports」に掲載されました。
【刊行案内】
1)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌 オンラインマガジン環環
2016年2月号掲載
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201602.html
・循環・廃棄物の基礎講座: 山本貴士「PoPs条約の最近の動向」
・循環・廃棄物の豆知識: 松神秀徳「日用品に隠れたPoPs」
・活動レポート: 倉持秀敏「カナダ・トロント大学滞在記」
2)CGERリポート「放射観測機器の校正に関する技術報告書」を掲載
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i124/
地球温暖化とその影響を把握するためには、気象(気候)要素を精度よく観測
することが不可欠で、中でも、気候システムを理解する上で大気放射の観測が重
要です。
本刊行物は、ワーキンググループ委員が執筆の中心となり、精度よく放射観
測を実施する上で、放射観測機器の利用者にとって参考となる情報を集約したも
のです。
3)CGERリポート「日本国温室効果ガスインベントリ報告書2015年4月」を掲載
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i123/
気候変動枠組条約および締約国会議の決定に従い、本報告書では、日本に
おける温室効果ガスインベントリの作成体制、各排出源及び吸収源による温室効
果ガスの排出量及び吸収量の推計手法、温室効果ガスの1990–2013年度の排
出及び吸収状況を整理した。
4)CGERリポート「National Greenhouse Gas Inventory Report of JAPAN April,
2015」を掲載
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i122/ja/
CGERリポート「日本国温室効果ガスインベントリ報告書2015年4月」の英語版。
5)地球環境研究センターニュース2016年2・3月号「国連気候変動枠組条約第21
回締約国会議(COP21)および京都議定書第11回締約国会合(CMP11)報告」発
行
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/
・国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)および京都議定書第11
回締約国会合(CMP11)報告[1]政府代表団メンバーからの報告:「強制」から
「誘導」へ~各国目標をめぐるパリCOPの成果
・国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)および京都議定書第11
回締約国会合(CMP11)報告 [2] COP21ジャパンパビリオンでのサイドイベン
ト報告:ポストCOP21における国の気候変動緩和策の進捗を計測するための
指標開発を目指した研究の概要紹介と成果報告
・国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)および京都議定書第11
回締約国会合(CMP11)報告 [3] 低炭素社会国際研究ネットワーク
(LCS-RNet)と低炭素アジア研究ネットワーク(LoCARNet)COP21でのサイド
イベント報告
・予測の予測:世界平均気温変化に関して、いつまでにどれだけ確実にわかる
のか?
・地球環境概観第5次報告書(GEO5)~人間社会にとって深刻な影響をもたら
す臨界閾値に近づきつつある地球~
・インタビュー「地球温暖化の事典」に書けなかったこと [10] 植生と気候の相互
作用の解明-陸面過程のより普遍的な理解を目指して-
・陸域生態系を多角的に観る 日本学術会議公開シンポジウム「生態系計測・モ
ニタリングの最前線」参加報告
・衛星による地球観測の現状と今後の展望 -地球観測連携拠点(温暖化分野)
平成27年度ワークショップ開催報告-
・環境研究総合推進費の研究紹介 [17] 変動の激しい北半球中高緯度のオゾ
ン層破壊を理解する 環境研究総合推進費2-1303「将来の温暖化条件下で
のフロン対策強化によるオゾン層の脆弱性回避に関する研究」
・西表島の児童・生徒の皆さんと一緒に気候変動を考える
・平成27年度スーパーコンピュータ利用研究報告会を開催しました
・オフィス活動紹介:温室効果ガスインベントリオフィス(GIO) 温室効果ガスイン
ベントリオフィス(GIO)が扱う統計データ類
・【最近の研究成果】準2年周期振動と太陽11年周期が冬季北半球中高緯度
の気候に及ぼす影響~当該過程に対して対流圏の波の果たす役割の理解~
・酒井広平講師による「検定試験問題を解いてみよう」シリーズ [26] オゾン層
(その2) -3R・低炭素社会検定より-
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
☆地球環境研究センターではFacebookpageを公開しています。様々な研究成果を
簡単にわかりやすく説明し、「今が旬」な情報を提供しています。Facebook
のアカウントを持っていなくても閲覧できます。是非一度ご覧ください。
https://www.facebook.com/niescger
★メルマガバックナンバーはこちらから
http://e.bme.jp/bm/p/bn/list.php?i=niesmailmagazine&no=all
☆当メールマガジンに登録した覚えのない方、また配信が不要な方は、お手数
ですが、下記URLより登録解除の手続きをお願いします。
http://e.bme.jp/bm/p/f/tf.php?id=niesmailmagazine
★当メールマガジンを許可無く転載することはご遠慮願います。
☆当メールマガジンとは別に、最近の記者発表等をその都度お届けする「新着情
報メール」も配信していますので、ご活用ください。
http://www.nies.go.jp/webnews/regist.html#news
■===================================■