国立研究開発法人国立環境研究所メールマガジン5月号
2017/05/03 (Wed) 12:00
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メールマガジン2017年5月号
発行:国立研究開発法人国立環境研究所 企画部広報室
メールマガジンに関するお問い合わせ: kouhou0@nies.go.jp
ホームページ: http://www.nies.go.jp/
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先月お知らせをさせて頂いた4月開催の研究所一般公開では、576名のお客
様にお越しいただきました。来所者の皆さまに深く感謝申し上げます。
来月6月には、「私たちの安心・安全な環境づくりとは-持続可能性とその
課題-」をテーマに、今年度は滋賀県及び東京都で公開シンポジウムを開催
いたします。
来場者の皆様と直接対話をしながら、最新の研究成果をご紹介できればと考
えておりますので、ご興味のある方は、ぜひお越しください。
詳細は下記ページにてご覧いただけます。
http://www.nies.go.jp/event/sympo/2017/
それではNIESメールマガジン2017年5月号をお届けいたします。 〈R.T〉
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -CONTENTS- - - - - - - - - - - - - - - - - - -
【受賞】
1)安藤 温子 研究員が第5回日本生態学会奨励賞(鈴木賞)を受賞
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2017/20170420/20170420-1.html
2)山口 晴代 研究員が第13回日本藻類学会研究奨励賞を受賞
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2017/20170418/20170418-1.html
3)井上 智美 主任研究員がHot Article Award Analytical Sciences を受賞
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2017/20170410/20170410-1.html
4)松崎 令 JSPS特別研究員、河地 正伸 室長が日本植物分類学会大会発表賞を
受賞
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2017/20170407/20170407-2.html
5)村上 大輔 特別研究員が第12回米谷佐佐木賞を受賞
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2017/20170407/20170407-1.html
【報道発表】
1)国立研究開発法人国立環境研究所 公開シンポジウム2017
私たちの安心・安全な環境づくりとは-持続可能性とその課題-開催のお知らせ
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170428/20170428.html
2)富士山頂での自動CO2濃度観測機器による長期間観測の成功
-富士山頂で東アジア全体が把握できるCO2濃度が観測可能と判明-(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170414/20170414.html
3)2015年度(平成27年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170413/20170413.html
4)「PM2.5の観測とシミュレーション─天気予報のように信頼できる予測を目指して」
国立環境研究所「環境儀」第64号の刊行について(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170411/20170411.html
5)国民のビタミンD不足を補うための日光照射の勧め-新たに札幌・横浜・名古屋・
大津・宮崎を含めた国内10地点における準リアルタイム情報の提供開始-
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170410/20170410.html
6)大気中の粒子成長の鍵となるプロセスを解明(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170407/20170407.html
7)「災害と環境に関する研究」国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について
(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170406/20170406.html
【刊行案内】
1)地球環境研究センターニュース2017年5月号
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/
2)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌オンラインマガジン環環2017年
4月号
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201704.html
【更新情報】
1)第11回生態影響試験実習セミナー開催のご案内
http://www.nies.go.jp/risk_health/referencelab_seminar_11.html
2)パリ協定の要点と課題を動画で解説「ココが知りたいパリ協定(6)目標は達成でき
るのか」を公開しました
http://www.cger.nies.go.jp/ja/cop21/
3)福島支部のホームページをリニューアルしました
https://www.nies.go.jp/whatsnew/fy2017.html
4)フィリピンからの視察団が地球環境研究センターを訪問しました
http://www.cger.nies.go.jp/ja/news/2017/170406.html
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【報道発表】
1)国立研究開発法人国立環境研究所 公開シンポジウム2017
私たちの安心・安全な環境づくりとは-持続可能性とその課題-開催のお知らせ
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170428/20170428.html
国立環境研究所では毎年6月の環境月間にあわせて公開シンポジウムを開
催し、最新の研究成果をテーマに合わせて発信を行っています。
本年は滋賀と東京で「私たちの安心・安全な環境づくりとは-持続可能性とそ
の課題-」をテーマに開催いたします。環境問題にご関心のあるたくさんの方の
ご参加を心からお待ちしています。
参加費は無料です。
2)富士山頂での自動CO2濃度観測機器による長期間観測の成功
-富士山頂で東アジア全体が把握できるCO2濃度が観測可能と判明-(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170414/20170414.html
夏季(1.5か月)しか商用の電源が使用できない富士山頂で、年間を通して大気
中二酸化炭素(CO2)濃度を測定するために、地球環境研究センターではバッテリ
ー電源で自動稼働するCO2濃度計測機器を開発・制作し、それを2009年に富
士山頂の旧富士山測候所に設置しました。
本装置を毎年メンテナンスおよびバッテリー充電システムの改良を繰り返しな
がら、7年間の富士山頂でのCO2濃度観測が成功しました。観測されたCO2濃
度を解析した結果、高い精度で測定されていることが確認されました。
富士山頂のCO2濃度は、北半球中緯度の平均的なCO2濃度を示すハワイ島
のマウナロア観測所の濃度に比べ年平均が約1 ppm高く、中緯度における東ア
ジア域における代表的な濃度を示していると考えられました。季節変化として富
士山頂の濃度はマウナロア観測所より夏期は低く、冬期は高いことが明らかとな
りました。これはアジア大陸の植物の光合成によるCO2吸収および人為起源(化
石燃料燃焼など)によるCO2放出の影響を強く受けているためです。さらに、マウ
ナロアと富士山両者の差から東アジアの炭素循環の変化を捉えることができる
ことも明らかとなりました。
この成果は、2017年3月3日に欧州地球科学連合の発行する「Atmopsheric
Measurement Techniques」に掲載されました。
3)2015年度(平成27年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170413/20170413.html
環境省と国立環境研究所は、今般、2015年度の我が国の温室効果ガス排
出量(確報値(注1))をとりまとめました。
2015年度の温室効果ガスの総排出量(注2)は13億2,500万トン(二酸化炭
素(CO2)換算)で、前年度比2.9%減(2013年度比6.0%減、2005年度比5.3%減)
でした。前年度からの減少要因としては、省エネの進展や冷夏・暖冬による影
響、再エネの導入拡大、原発の再稼働などにより、エネルギー起源のCO2排出
量が減少したことなどが挙げられます。
4)「PM2.5の観測とシミュレーション─天気予報のように信頼できる予測を目指して」
国立環境研究所「環境儀」第64号の刊行について(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170411/20170411.html
国立環境研究所は、研究成果等をわかりやすく伝える研究情報誌「環境儀」
の最新号、「PM2.5の観測とシミュレーション─天気予報のように信頼できる予測
を目指して」を刊行します。
1970年代に、大気中に存在する粒子のうち、直径およそ7マイクロメートル以下の粒
子(SPM)に対して大気汚染物質としての環境基準が定められました。1990年代
になると、より小さな粒子の方が健康に大きな影響を与えることが認識されるよ
うになり、2009年に微小粒子状物質(直径2.5マイクロメートル以下の粒子、PM2.5)
の環境基準が加えられました。
国立環境研究所では1990年代から微小粒子状物質の健康影響についての
研究を開始し、さらに、2001年度からは新たに研究プロジェクトを立ち上げ、
PM2.5などの粒子状物質の観測による動態の解明、また、数値シミュレーション
による高濃度現象の理解や予測に取り組んでいます。本号では、PM2.5の数値
シミュレーションや予測に関する取り組みについて、研究や観測の成果とともに
紹介します。
5)国民のビタミンD不足を補うための日光照射の勧め-新たに札幌・横浜・名古屋・
大津・宮崎を含めた国内10地点における準リアルタイム情報の提供開始-
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170410/20170410.html
紫外線には、白内障や皮膚がん発症のリスクを上げるなどの悪影響がある
一方で、体内でビタミンD※1を生成するという重要な役割があります。日本人の
多くがビタミンD不足である状況※2に鑑み、国立環境研究所では、国内5ケ所
で観測している紫外線データから、健康な生活を送るうえで必要なビタミンDを
生成するための日光照射時間を、準リアルタイムにウェブサイトで公開してきま
した。この研究に関する論文が、最近米国の国際学術雑誌(Photochemistry
and Photobiology)に掲載され※3、その有効性が認められました。このたびウェ
ブサイトで提供するビタミンDデータ提供地点を、これまでの5ヶ所から全国 10
ヶ所※4に拡張し、より多くの地域の方々の参考にしていただくことができるよう
になりました。この事は、最近増加している頭蓋ろう、くる病、骨粗しょう症、骨
軟化症などの予防*5のための基礎的情報となります。この情報の提供は、日
光照射の有効性に対する理解を深め、結果として国民の健康に寄与するもの
と考えられます。
6)大気中の粒子成長の鍵となるプロセスを解明(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170407/20170407.html
国立環境研究所環境計測研究センター反応化学計測研究室の 江波 進一
主任研究員、米国カリフォルニア工科大学のAgustin J. Colussi 客員研究員ら
の研究グループは、気体と液体の境界(気液界面)に存在する化学種を選択的
に検出することのできる実験手法を用いて、気液界面に生成するクリーギー中
間体※1の反応機構の解明に世界で初めて成功しました。本研究によって、気
液界面に生成するクリーギー中間体は、界面を好む「酸」と選択的に反応し、揮
発性の低い化合物を生成することが明らかになりました。本結果は気液界面に
生成するクリーギー中間体が大気エアロゾル※2の成長を促進していることを
示唆しています。今後、本成果を考慮した大気モデルシミュレーションによって、
大気エアロゾルが気候変動に与える影響の予測精度が向上することが期待さ
れます。本成果は2017年3月20日(米国東部時間)にアメリカ化学会の発行
する「The Journal of Physical Chemistry Letters」(オンライン版)に掲載さ
れました。
7)「災害と環境に関する研究」国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について
(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170406/20170406.html
国立環境研究所では、「国立環境研究所研究プロジェクト報告」として、「災害
と環境に関する研究 平成25~27年度」を刊行します。
本報告書は、2011年3月に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所
事故によって発生した様々な環境問題の解決に貢献するために取り組んできた研究
成果を取りまとめたものです。災害廃棄物や放射性物質に汚染された廃棄物の処理処
分、放射性物質の環境動態や生物・生態系影響、地震・津波による環境変化・影響、
被災地の復興まちづくりと地域環境の創生などに関する成果が含まれています。
【刊行案内】
1)地球環境研究センターニュース2017年5月号発行
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/
・RESEARCH 3つの「削減目標」を繋ぐ道筋を考える
・REPORT ポスト「京」重点課題「観測ビッグデータを活用した気象
と地球環境の予測の高度化」第1回成果報告を拝聴して―大型計算
機について非ユーザーが思うこと―
・ボトムアップアプローチとトップダウンアプローチのマリアージュ
-都市の温室効果ガス排出量を測定するために-
・村上大輔特別研究員が第12回米谷・佐佐木賞を受賞しました
・「しばれない?!」りくべつの冬
2)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌オンラインマガジン環環2017年
4月号
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201704.html
・循環・廃棄物のけんきゅう:稲葉陸太「地域循環の実現のために重要なこと
を実例から学ぶ」
・けんきゅうの現場から:中島謙一「種子島を訪ねてみたら」
・けんきゅうの現場から:南斉規介「国際会議の開催準備あれこれ」
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簡単にわかりやすく説明し、「今が旬」な情報を提供しています。Facebook
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メールマガジン2017年5月号
発行:国立研究開発法人国立環境研究所 企画部広報室
メールマガジンに関するお問い合わせ: kouhou0@nies.go.jp
ホームページ: http://www.nies.go.jp/
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先月お知らせをさせて頂いた4月開催の研究所一般公開では、576名のお客
様にお越しいただきました。来所者の皆さまに深く感謝申し上げます。
来月6月には、「私たちの安心・安全な環境づくりとは-持続可能性とその
課題-」をテーマに、今年度は滋賀県及び東京都で公開シンポジウムを開催
いたします。
来場者の皆様と直接対話をしながら、最新の研究成果をご紹介できればと考
えておりますので、ご興味のある方は、ぜひお越しください。
詳細は下記ページにてご覧いただけます。
http://www.nies.go.jp/event/sympo/2017/
それではNIESメールマガジン2017年5月号をお届けいたします。 〈R.T〉
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -CONTENTS- - - - - - - - - - - - - - - - - - -
【受賞】
1)安藤 温子 研究員が第5回日本生態学会奨励賞(鈴木賞)を受賞
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2017/20170420/20170420-1.html
2)山口 晴代 研究員が第13回日本藻類学会研究奨励賞を受賞
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2017/20170418/20170418-1.html
3)井上 智美 主任研究員がHot Article Award Analytical Sciences を受賞
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2017/20170410/20170410-1.html
4)松崎 令 JSPS特別研究員、河地 正伸 室長が日本植物分類学会大会発表賞を
受賞
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2017/20170407/20170407-2.html
5)村上 大輔 特別研究員が第12回米谷佐佐木賞を受賞
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2017/20170407/20170407-1.html
【報道発表】
1)国立研究開発法人国立環境研究所 公開シンポジウム2017
私たちの安心・安全な環境づくりとは-持続可能性とその課題-開催のお知らせ
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170428/20170428.html
2)富士山頂での自動CO2濃度観測機器による長期間観測の成功
-富士山頂で東アジア全体が把握できるCO2濃度が観測可能と判明-(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170414/20170414.html
3)2015年度(平成27年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170413/20170413.html
4)「PM2.5の観測とシミュレーション─天気予報のように信頼できる予測を目指して」
国立環境研究所「環境儀」第64号の刊行について(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170411/20170411.html
5)国民のビタミンD不足を補うための日光照射の勧め-新たに札幌・横浜・名古屋・
大津・宮崎を含めた国内10地点における準リアルタイム情報の提供開始-
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170410/20170410.html
6)大気中の粒子成長の鍵となるプロセスを解明(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170407/20170407.html
7)「災害と環境に関する研究」国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について
(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170406/20170406.html
【刊行案内】
1)地球環境研究センターニュース2017年5月号
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/
2)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌オンラインマガジン環環2017年
4月号
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201704.html
【更新情報】
1)第11回生態影響試験実習セミナー開催のご案内
http://www.nies.go.jp/risk_health/referencelab_seminar_11.html
2)パリ協定の要点と課題を動画で解説「ココが知りたいパリ協定(6)目標は達成でき
るのか」を公開しました
http://www.cger.nies.go.jp/ja/cop21/
3)福島支部のホームページをリニューアルしました
https://www.nies.go.jp/whatsnew/fy2017.html
4)フィリピンからの視察団が地球環境研究センターを訪問しました
http://www.cger.nies.go.jp/ja/news/2017/170406.html
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【報道発表】
1)国立研究開発法人国立環境研究所 公開シンポジウム2017
私たちの安心・安全な環境づくりとは-持続可能性とその課題-開催のお知らせ
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170428/20170428.html
国立環境研究所では毎年6月の環境月間にあわせて公開シンポジウムを開
催し、最新の研究成果をテーマに合わせて発信を行っています。
本年は滋賀と東京で「私たちの安心・安全な環境づくりとは-持続可能性とそ
の課題-」をテーマに開催いたします。環境問題にご関心のあるたくさんの方の
ご参加を心からお待ちしています。
参加費は無料です。
2)富士山頂での自動CO2濃度観測機器による長期間観測の成功
-富士山頂で東アジア全体が把握できるCO2濃度が観測可能と判明-(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170414/20170414.html
夏季(1.5か月)しか商用の電源が使用できない富士山頂で、年間を通して大気
中二酸化炭素(CO2)濃度を測定するために、地球環境研究センターではバッテリ
ー電源で自動稼働するCO2濃度計測機器を開発・制作し、それを2009年に富
士山頂の旧富士山測候所に設置しました。
本装置を毎年メンテナンスおよびバッテリー充電システムの改良を繰り返しな
がら、7年間の富士山頂でのCO2濃度観測が成功しました。観測されたCO2濃
度を解析した結果、高い精度で測定されていることが確認されました。
富士山頂のCO2濃度は、北半球中緯度の平均的なCO2濃度を示すハワイ島
のマウナロア観測所の濃度に比べ年平均が約1 ppm高く、中緯度における東ア
ジア域における代表的な濃度を示していると考えられました。季節変化として富
士山頂の濃度はマウナロア観測所より夏期は低く、冬期は高いことが明らかとな
りました。これはアジア大陸の植物の光合成によるCO2吸収および人為起源(化
石燃料燃焼など)によるCO2放出の影響を強く受けているためです。さらに、マウ
ナロアと富士山両者の差から東アジアの炭素循環の変化を捉えることができる
ことも明らかとなりました。
この成果は、2017年3月3日に欧州地球科学連合の発行する「Atmopsheric
Measurement Techniques」に掲載されました。
3)2015年度(平成27年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170413/20170413.html
環境省と国立環境研究所は、今般、2015年度の我が国の温室効果ガス排
出量(確報値(注1))をとりまとめました。
2015年度の温室効果ガスの総排出量(注2)は13億2,500万トン(二酸化炭
素(CO2)換算)で、前年度比2.9%減(2013年度比6.0%減、2005年度比5.3%減)
でした。前年度からの減少要因としては、省エネの進展や冷夏・暖冬による影
響、再エネの導入拡大、原発の再稼働などにより、エネルギー起源のCO2排出
量が減少したことなどが挙げられます。
4)「PM2.5の観測とシミュレーション─天気予報のように信頼できる予測を目指して」
国立環境研究所「環境儀」第64号の刊行について(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170411/20170411.html
国立環境研究所は、研究成果等をわかりやすく伝える研究情報誌「環境儀」
の最新号、「PM2.5の観測とシミュレーション─天気予報のように信頼できる予測
を目指して」を刊行します。
1970年代に、大気中に存在する粒子のうち、直径およそ7マイクロメートル以下の粒
子(SPM)に対して大気汚染物質としての環境基準が定められました。1990年代
になると、より小さな粒子の方が健康に大きな影響を与えることが認識されるよ
うになり、2009年に微小粒子状物質(直径2.5マイクロメートル以下の粒子、PM2.5)
の環境基準が加えられました。
国立環境研究所では1990年代から微小粒子状物質の健康影響についての
研究を開始し、さらに、2001年度からは新たに研究プロジェクトを立ち上げ、
PM2.5などの粒子状物質の観測による動態の解明、また、数値シミュレーション
による高濃度現象の理解や予測に取り組んでいます。本号では、PM2.5の数値
シミュレーションや予測に関する取り組みについて、研究や観測の成果とともに
紹介します。
5)国民のビタミンD不足を補うための日光照射の勧め-新たに札幌・横浜・名古屋・
大津・宮崎を含めた国内10地点における準リアルタイム情報の提供開始-
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170410/20170410.html
紫外線には、白内障や皮膚がん発症のリスクを上げるなどの悪影響がある
一方で、体内でビタミンD※1を生成するという重要な役割があります。日本人の
多くがビタミンD不足である状況※2に鑑み、国立環境研究所では、国内5ケ所
で観測している紫外線データから、健康な生活を送るうえで必要なビタミンDを
生成するための日光照射時間を、準リアルタイムにウェブサイトで公開してきま
した。この研究に関する論文が、最近米国の国際学術雑誌(Photochemistry
and Photobiology)に掲載され※3、その有効性が認められました。このたびウェ
ブサイトで提供するビタミンDデータ提供地点を、これまでの5ヶ所から全国 10
ヶ所※4に拡張し、より多くの地域の方々の参考にしていただくことができるよう
になりました。この事は、最近増加している頭蓋ろう、くる病、骨粗しょう症、骨
軟化症などの予防*5のための基礎的情報となります。この情報の提供は、日
光照射の有効性に対する理解を深め、結果として国民の健康に寄与するもの
と考えられます。
6)大気中の粒子成長の鍵となるプロセスを解明(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170407/20170407.html
国立環境研究所環境計測研究センター反応化学計測研究室の 江波 進一
主任研究員、米国カリフォルニア工科大学のAgustin J. Colussi 客員研究員ら
の研究グループは、気体と液体の境界(気液界面)に存在する化学種を選択的
に検出することのできる実験手法を用いて、気液界面に生成するクリーギー中
間体※1の反応機構の解明に世界で初めて成功しました。本研究によって、気
液界面に生成するクリーギー中間体は、界面を好む「酸」と選択的に反応し、揮
発性の低い化合物を生成することが明らかになりました。本結果は気液界面に
生成するクリーギー中間体が大気エアロゾル※2の成長を促進していることを
示唆しています。今後、本成果を考慮した大気モデルシミュレーションによって、
大気エアロゾルが気候変動に与える影響の予測精度が向上することが期待さ
れます。本成果は2017年3月20日(米国東部時間)にアメリカ化学会の発行
する「The Journal of Physical Chemistry Letters」(オンライン版)に掲載さ
れました。
7)「災害と環境に関する研究」国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について
(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170406/20170406.html
国立環境研究所では、「国立環境研究所研究プロジェクト報告」として、「災害
と環境に関する研究 平成25~27年度」を刊行します。
本報告書は、2011年3月に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所
事故によって発生した様々な環境問題の解決に貢献するために取り組んできた研究
成果を取りまとめたものです。災害廃棄物や放射性物質に汚染された廃棄物の処理処
分、放射性物質の環境動態や生物・生態系影響、地震・津波による環境変化・影響、
被災地の復興まちづくりと地域環境の創生などに関する成果が含まれています。
【刊行案内】
1)地球環境研究センターニュース2017年5月号発行
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/
・RESEARCH 3つの「削減目標」を繋ぐ道筋を考える
・REPORT ポスト「京」重点課題「観測ビッグデータを活用した気象
と地球環境の予測の高度化」第1回成果報告を拝聴して―大型計算
機について非ユーザーが思うこと―
・ボトムアップアプローチとトップダウンアプローチのマリアージュ
-都市の温室効果ガス排出量を測定するために-
・村上大輔特別研究員が第12回米谷・佐佐木賞を受賞しました
・「しばれない?!」りくべつの冬
2)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌オンラインマガジン環環2017年
4月号
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201704.html
・循環・廃棄物のけんきゅう:稲葉陸太「地域循環の実現のために重要なこと
を実例から学ぶ」
・けんきゅうの現場から:中島謙一「種子島を訪ねてみたら」
・けんきゅうの現場から:南斉規介「国際会議の開催準備あれこれ」
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