国立研究開発法人国立環境研究所メールマガジン7月号
2017/07/05 (Wed) 12:00
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メールマガジン2017年7月号
発行:国立研究開発法人国立環境研究所 企画部広報室
メールマガジンに関するお問い合わせ: kouhou0@nies.go.jp
ホームページ: http://www.nies.go.jp/
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7/22(土)に、国立環境研究所「夏の大公開」を開催いたします。今年は新企画
として、つくば市と連携して東京2020組織委員会主催の「都市鉱山からつくる!
みんなのメダルプロジェクト」のイベント回収を行う企画(企画名:都市に隠れ
た資源を探そう)や、制服姿のJAL国際線現役パイロットをお招きし、高度1万メ
ートルの操縦席から見た地球環境の変化(北極海の氷、アラスカの氷河)につい
てのお話なども伺いながら、温室効果ガスの共同観測プロジェクトについてお伝
えする企画(企画名:JAL国際線現役パイロットと温室効果ガス研究者によるクロ
ストーク)などを準備しています。詳しくは公式ホームページ内の特設サイトを
ご覧ください。たくさんの皆様のご来場を、お待ちしております。
それではNIESメールマガジン2017年7月号をお届けいたします。 〈O. I〉
- - - - - - - - - - - - - - - - - -CONTENTS- - - - - - - - - - - - - - - - - - -
【受賞】
1)稲葉 陸太 主任研究員が廃棄物資源循環学会奨励賞を受賞
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2017/20170626/20170626-1.html
2) 谷本 浩志 室長が第2回地球惑星科学振興西田賞を受賞
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2017/20170619/20170619-1.html
【報道発表】
1) 「国立環境研究所年報 平成28年度」の刊行について(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170703/20170703.html
2) 水田消滅による里地里山の変貌を地図化-水域と陸域の違いを考慮した農地景観
多様度指数の開発
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170630/20170630.html
3) 国立環境研究所 夏の大公開-来てみて触ってエコチャレンジ!-(開催のお知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170622/20170622.html
4) 特定外来生物アルゼンチンアリの地域根絶について~数理統計モデルを用いた根
絶評価手法の確立~
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170612-2/20170612-2.html
5) 地球温暖化によって追加的に必要となる労働者の熱中症予防の経済的コストを推
計(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170612/20170612.html
6) 環境省、地球環境戦略研究機関(IGES)、国立環境研究所(NIES)
環境省「平成28年度国際低炭素社会推進研究調査等委託業務」 研究成果
「ブータンは炭素中立を維持できるか?山岳自然資源国の挑戦」
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170607/20170607.html
【刊行案内】
1)NIESレターふくしま6月号が発行されました
http://www.nies.go.jp/fukushima/pub-magazine.html#nies-letter
2)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌オンラインマガジン環環2017年
6月号が発行されました
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201706.html
3)地球環境研究センターニュース2017年7月号が発行されました
https://www.nies.go.jp/kanko/news/index.html
【更新情報】
1)エコライフ・フェア2017に出展しました!
http://www.cger.nies.go.jp/ja/news/2017/170620.html
2)富士山頂の大気中 CO2 濃度データセットの公開を始めました
http://www.nies.go.jp/doi/10.17595/20170616.001.html
3)環境技術解説「アスベスト対策技術」を改訂しました
http://tenbou.nies.go.jp/science/description/detail.php?id=81
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【報道発表】
1) 「国立環境研究所年報 平成28年度」の刊行について(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170703/20170703.html
国立研究開発法人国立環境研究所(以下、「国立環境研究所」という。)で
は、平成28年度の活動内容と研究成果をとりまとめた「国立環境研究所
年報 平成28年度」を刊行します。
2) 水田消滅による里地里山の変貌を地図化-水域と陸域の違いを考慮した農地景観
多様度指数の開発
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170630/20170630.html
水田や森林といった水陸両方の生態系が入り混じった里地里山は、多様
な生き物の生息の場となっており、その景観分布の把握は、重要な課題と
なっています。特に、水田が乾燥した畑や耕作放棄地になってしまうことは、
トンボ類のような生活史の中で水域と陸域の両方を利用する生物にとって
致命的ですが、Satoyama Index等の従来の里地里山景観を指標する指数では
そのような変化を十分に反映することができませんでした。しかし、耕作放
棄の進行は生物多様性国家戦略にも「第2の危機」として挙げられる等、全
国的に深刻な問題になっています。国立研究開発法人国立環境研究所(以下
国立環境研究所という。)では、世界で初めて、水域と陸域のように生態学
的に異質な土地タイプがバランスよく含まれている農地景観ほど高い数値を
示す農地景観多様度指数Dissimilarity-based Satoyama Index (DSI)を考案
し、日本全国で地図化しました。さらに、DSIは従来の指数と比べてイトト
ンボ種数の分布と正の相関関係が強くなる傾向が示され、生物多様性保全の
観点から妥当なものであることも確認されました。
これらの成果は、2017年6月1日付で国際科学雑誌Ambio電子版に掲載されま
した。本研究は、国立環境研究所が進めている災害環境研究プログラム、自
然共生研究プログラム及び所内公募型提案研究(A)「人が去ったそのあとに
~人口減少時代の国土デザインに向けた生物多様性広域評価~」の一環とし
て行われたものです 。
3)国立環境研究所 夏の大公開-来てみて触ってエコチャレンジ!-(開催のお知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170622/20170622.html
国立研究開発法人国立環境研究所(以下、「環境研」)は、7月22日(土)
に「夏の大公開」を開催します。地球温暖化について解説するパネルディス
カッションや、身近な生き物に直接触れたり観察したりできる展示・体験イ
ベント、普段は見ることのできない研究施設や実験設備の公開など、話題の
環境問題・研究について、楽しみながら知ることのできるイベントを多数実
施します。
4)特定外来生物アルゼンチンアリの地域根絶について~数理統計モデルを用いた根
絶評価手法の確立~
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170612-2/20170612-2.html
アルゼンチンアリは、外来生物法に基づく特定外来生物※1に指定されて
おり、現在までに1都2府9県において定着が確認されています。国立環境研
究所および環境省は、フマキラー株式会社の協力を得て、東京都大田区内に
おいて、殺虫剤を活用した防除手法の開発に取り組んできました。約4年間
の防除の結果、当地域においてアルゼンチンアリを検出限界以下まで減少さ
せることができましたが、どのように根絶が成功したと判断するかが課題で
した。
そこで、国立環境研究所では、数理統計モデルを用いてモニタリングデー
タを解析することで、根絶確率を定量的に推定する手法を確立しました。そ
の結果、当地域においては防除を開始してから42ヶ月目に残存確率が1%を下
回ったと推定され、2015年8月を以てアルゼンチンアリが根絶したと判断する
ことができました。
本研究成果は、防除地域におけるアルゼンチンアリの残存確率を、統計学的
根拠に基づき評価した世界初の事例であり、これまで感覚的であった外来アリ
類の根絶成功を定量的に判断することを可能にするものです。
なお、本研究成果は、2017年6月13日(日本時間午後6時)に英国科学誌
Scientific Reportsに掲載されました。
(www.nature.com/articles/s41598-017-03516-z)
5)地球温暖化によって追加的に必要となる労働者の熱中症予防の経済的コストを
推計(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170612/20170612.html
国立環境研究所と筑波大学の研究チームは、地球温暖化によって追加的に必
要となる労働者の熱中症予防の経済的コストを推計し、論文として発表しまし
た。
地球温暖化による気温の上昇により、労働者はより強い暑熱ストレスに曝さ
れることになります。各種の指針では、熱中症を予防するために暑さの度合い
と作業強度に応じて休憩をとる(作業を中断する)ことが推奨されていますが、
気温の上昇に伴い、より長い休憩を取ることが必要となり、経済活動に影響を
与える可能性があります。研究チームでは、気候モデルの結果と経済モデルを
組み合わせて分析することで、地球温暖化によって追加的に必要となる熱中症
予防の経済的コストを、複数の将来シナリオの下で推計し比較しました。地球
温暖化が最も進むシナリオの下で何も対策を取らなかった場合、21世紀の終わ
りには、年間の追加的な経済的コストは世界全体のGDPの2.6~4.0%にも相当
することが分かりました。一方で、気温の上昇を産業革命以前と比較して2℃
未満に抑えることができると仮定したシナリオでは、年間の追加的な経済的コ
ストは世界全体のGDPの0.5%以下に抑えられることが分かりました。この結果
は、パリ協定の目標(気温の上昇を産業革命以前と比較して2℃未満に抑える)
を達成することが、世界全体の経済に対して便益も持つことも意味します。
この研究の成果は IOP Publishing が発行するオンラインの学術誌
Environmental Research Letters に、日本時間6月13日に掲載されました。
6)環境省、地球環境戦略研究機関(IGES)、国立環境研究所(NIES)
環境省「平成28年度国際低炭素社会推進研究調査等委託業務」 研究成果
「ブータンは炭素中立を維持できるか?山岳自然資源国の挑戦」
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170607/20170607.html
環境省、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)、国立研究開発法人
国立環境研究所(NIES)は、ブータン王国政府と協力して将来のブータン王国
における温室効果ガス排出量のシミュレーションを行い、対策なしでは2050年
までに排出量が吸収量を上回ることを示した研究成果をまとめました。今後は
シミュレーションを活用して同国の気候変動対策を支援していきます。
【刊行案内】
1)NIESレターふくしま6月号が発行されました
http://www.nies.go.jp/fukushima/pub-magazine.html#nies-letter
・福島支部開所一周年記念特別インタビュー
・福島県環境創造センター角山所長特別インタビュー
・日本原子力研究開発機構(JAEA)福島環境安全センター
・宮原センター長特別インタビュー
・情報通信技術で地域を活性化する復興まちづくりとは?
・福島支部 地域環境創生研究室 主任研究員 平野勇二郎
・地域の皆さんとの対話を通じた研究活動
・福島支部 地域環境創生研究室 研究員 中村省吾
2)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌オンラインマガジン環環2017年
6月号が発行されました
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201706.html
・循環・廃棄物のけんきゅう:鈴木剛「臭素化ダイオキシン類の適正管理にむけて」
・循環・廃棄物の豆知識:宗清生「災害廃棄物処理に係る現地支援」
・けんきゅうの現場から:蛯江美孝「会議のすすめ-インドネシアの「ないない」会
議-」
3)地球環境研究センターニュース2017年7月号が発行されました
・富士山頂での大気中CO2濃度の長期観測-アジア域の炭素循環の変化を見
いだすために-
・「いぶき」(GOSAT)から見た、地球全体の大気中二酸化炭素濃度の変動の様子
・COSP情報交換グループ支援と最適化に関する研究集会参加報告
・土地利用に関わるネガティブエミッション技術(LUNETs) 食料安全保障など
持続可能な開発目標(SDGs)への示唆-GCP/MaGNETワークショップ報告-
・四日市公害と環境未来館開館2周年記念 江守正多氏講演「地球温暖化と私
たちの未来」
・パネル・展示1:JAL(日本航空)とコラボした大気観測プロジェクト「CONTRAIL」
・パネル・展示2:永久凍土からメタン!?巨大永久凍土が解けている
・体験イベント:自転車de発電
・2050年までに温室効果ガスをどう減らす?-春の環境講座で環境サイエンスカ
フェを開催しました-
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☆当メールマガジンとは別に、最近の記者発表等をその都度お届けする「新着情
報メール」も配信していますので、ご活用ください。
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メールマガジン2017年7月号
発行:国立研究開発法人国立環境研究所 企画部広報室
メールマガジンに関するお問い合わせ: kouhou0@nies.go.jp
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7/22(土)に、国立環境研究所「夏の大公開」を開催いたします。今年は新企画
として、つくば市と連携して東京2020組織委員会主催の「都市鉱山からつくる!
みんなのメダルプロジェクト」のイベント回収を行う企画(企画名:都市に隠れ
た資源を探そう)や、制服姿のJAL国際線現役パイロットをお招きし、高度1万メ
ートルの操縦席から見た地球環境の変化(北極海の氷、アラスカの氷河)につい
てのお話なども伺いながら、温室効果ガスの共同観測プロジェクトについてお伝
えする企画(企画名:JAL国際線現役パイロットと温室効果ガス研究者によるクロ
ストーク)などを準備しています。詳しくは公式ホームページ内の特設サイトを
ご覧ください。たくさんの皆様のご来場を、お待ちしております。
それではNIESメールマガジン2017年7月号をお届けいたします。 〈O. I〉
- - - - - - - - - - - - - - - - - -CONTENTS- - - - - - - - - - - - - - - - - - -
【受賞】
1)稲葉 陸太 主任研究員が廃棄物資源循環学会奨励賞を受賞
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2017/20170626/20170626-1.html
2) 谷本 浩志 室長が第2回地球惑星科学振興西田賞を受賞
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2017/20170619/20170619-1.html
【報道発表】
1) 「国立環境研究所年報 平成28年度」の刊行について(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170703/20170703.html
2) 水田消滅による里地里山の変貌を地図化-水域と陸域の違いを考慮した農地景観
多様度指数の開発
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170630/20170630.html
3) 国立環境研究所 夏の大公開-来てみて触ってエコチャレンジ!-(開催のお知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170622/20170622.html
4) 特定外来生物アルゼンチンアリの地域根絶について~数理統計モデルを用いた根
絶評価手法の確立~
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170612-2/20170612-2.html
5) 地球温暖化によって追加的に必要となる労働者の熱中症予防の経済的コストを推
計(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170612/20170612.html
6) 環境省、地球環境戦略研究機関(IGES)、国立環境研究所(NIES)
環境省「平成28年度国際低炭素社会推進研究調査等委託業務」 研究成果
「ブータンは炭素中立を維持できるか?山岳自然資源国の挑戦」
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170607/20170607.html
【刊行案内】
1)NIESレターふくしま6月号が発行されました
http://www.nies.go.jp/fukushima/pub-magazine.html#nies-letter
2)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌オンラインマガジン環環2017年
6月号が発行されました
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201706.html
3)地球環境研究センターニュース2017年7月号が発行されました
https://www.nies.go.jp/kanko/news/index.html
【更新情報】
1)エコライフ・フェア2017に出展しました!
http://www.cger.nies.go.jp/ja/news/2017/170620.html
2)富士山頂の大気中 CO2 濃度データセットの公開を始めました
http://www.nies.go.jp/doi/10.17595/20170616.001.html
3)環境技術解説「アスベスト対策技術」を改訂しました
http://tenbou.nies.go.jp/science/description/detail.php?id=81
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【報道発表】
1) 「国立環境研究所年報 平成28年度」の刊行について(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170703/20170703.html
国立研究開発法人国立環境研究所(以下、「国立環境研究所」という。)で
は、平成28年度の活動内容と研究成果をとりまとめた「国立環境研究所
年報 平成28年度」を刊行します。
2) 水田消滅による里地里山の変貌を地図化-水域と陸域の違いを考慮した農地景観
多様度指数の開発
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170630/20170630.html
水田や森林といった水陸両方の生態系が入り混じった里地里山は、多様
な生き物の生息の場となっており、その景観分布の把握は、重要な課題と
なっています。特に、水田が乾燥した畑や耕作放棄地になってしまうことは、
トンボ類のような生活史の中で水域と陸域の両方を利用する生物にとって
致命的ですが、Satoyama Index等の従来の里地里山景観を指標する指数では
そのような変化を十分に反映することができませんでした。しかし、耕作放
棄の進行は生物多様性国家戦略にも「第2の危機」として挙げられる等、全
国的に深刻な問題になっています。国立研究開発法人国立環境研究所(以下
国立環境研究所という。)では、世界で初めて、水域と陸域のように生態学
的に異質な土地タイプがバランスよく含まれている農地景観ほど高い数値を
示す農地景観多様度指数Dissimilarity-based Satoyama Index (DSI)を考案
し、日本全国で地図化しました。さらに、DSIは従来の指数と比べてイトト
ンボ種数の分布と正の相関関係が強くなる傾向が示され、生物多様性保全の
観点から妥当なものであることも確認されました。
これらの成果は、2017年6月1日付で国際科学雑誌Ambio電子版に掲載されま
した。本研究は、国立環境研究所が進めている災害環境研究プログラム、自
然共生研究プログラム及び所内公募型提案研究(A)「人が去ったそのあとに
~人口減少時代の国土デザインに向けた生物多様性広域評価~」の一環とし
て行われたものです 。
3)国立環境研究所 夏の大公開-来てみて触ってエコチャレンジ!-(開催のお知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170622/20170622.html
国立研究開発法人国立環境研究所(以下、「環境研」)は、7月22日(土)
に「夏の大公開」を開催します。地球温暖化について解説するパネルディス
カッションや、身近な生き物に直接触れたり観察したりできる展示・体験イ
ベント、普段は見ることのできない研究施設や実験設備の公開など、話題の
環境問題・研究について、楽しみながら知ることのできるイベントを多数実
施します。
4)特定外来生物アルゼンチンアリの地域根絶について~数理統計モデルを用いた根
絶評価手法の確立~
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170612-2/20170612-2.html
アルゼンチンアリは、外来生物法に基づく特定外来生物※1に指定されて
おり、現在までに1都2府9県において定着が確認されています。国立環境研
究所および環境省は、フマキラー株式会社の協力を得て、東京都大田区内に
おいて、殺虫剤を活用した防除手法の開発に取り組んできました。約4年間
の防除の結果、当地域においてアルゼンチンアリを検出限界以下まで減少さ
せることができましたが、どのように根絶が成功したと判断するかが課題で
した。
そこで、国立環境研究所では、数理統計モデルを用いてモニタリングデー
タを解析することで、根絶確率を定量的に推定する手法を確立しました。そ
の結果、当地域においては防除を開始してから42ヶ月目に残存確率が1%を下
回ったと推定され、2015年8月を以てアルゼンチンアリが根絶したと判断する
ことができました。
本研究成果は、防除地域におけるアルゼンチンアリの残存確率を、統計学的
根拠に基づき評価した世界初の事例であり、これまで感覚的であった外来アリ
類の根絶成功を定量的に判断することを可能にするものです。
なお、本研究成果は、2017年6月13日(日本時間午後6時)に英国科学誌
Scientific Reportsに掲載されました。
(www.nature.com/articles/s41598-017-03516-z)
5)地球温暖化によって追加的に必要となる労働者の熱中症予防の経済的コストを
推計(お知らせ)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170612/20170612.html
国立環境研究所と筑波大学の研究チームは、地球温暖化によって追加的に必
要となる労働者の熱中症予防の経済的コストを推計し、論文として発表しまし
た。
地球温暖化による気温の上昇により、労働者はより強い暑熱ストレスに曝さ
れることになります。各種の指針では、熱中症を予防するために暑さの度合い
と作業強度に応じて休憩をとる(作業を中断する)ことが推奨されていますが、
気温の上昇に伴い、より長い休憩を取ることが必要となり、経済活動に影響を
与える可能性があります。研究チームでは、気候モデルの結果と経済モデルを
組み合わせて分析することで、地球温暖化によって追加的に必要となる熱中症
予防の経済的コストを、複数の将来シナリオの下で推計し比較しました。地球
温暖化が最も進むシナリオの下で何も対策を取らなかった場合、21世紀の終わ
りには、年間の追加的な経済的コストは世界全体のGDPの2.6~4.0%にも相当
することが分かりました。一方で、気温の上昇を産業革命以前と比較して2℃
未満に抑えることができると仮定したシナリオでは、年間の追加的な経済的コ
ストは世界全体のGDPの0.5%以下に抑えられることが分かりました。この結果
は、パリ協定の目標(気温の上昇を産業革命以前と比較して2℃未満に抑える)
を達成することが、世界全体の経済に対して便益も持つことも意味します。
この研究の成果は IOP Publishing が発行するオンラインの学術誌
Environmental Research Letters に、日本時間6月13日に掲載されました。
6)環境省、地球環境戦略研究機関(IGES)、国立環境研究所(NIES)
環境省「平成28年度国際低炭素社会推進研究調査等委託業務」 研究成果
「ブータンは炭素中立を維持できるか?山岳自然資源国の挑戦」
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170607/20170607.html
環境省、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)、国立研究開発法人
国立環境研究所(NIES)は、ブータン王国政府と協力して将来のブータン王国
における温室効果ガス排出量のシミュレーションを行い、対策なしでは2050年
までに排出量が吸収量を上回ることを示した研究成果をまとめました。今後は
シミュレーションを活用して同国の気候変動対策を支援していきます。
【刊行案内】
1)NIESレターふくしま6月号が発行されました
http://www.nies.go.jp/fukushima/pub-magazine.html#nies-letter
・福島支部開所一周年記念特別インタビュー
・福島県環境創造センター角山所長特別インタビュー
・日本原子力研究開発機構(JAEA)福島環境安全センター
・宮原センター長特別インタビュー
・情報通信技術で地域を活性化する復興まちづくりとは?
・福島支部 地域環境創生研究室 主任研究員 平野勇二郎
・地域の皆さんとの対話を通じた研究活動
・福島支部 地域環境創生研究室 研究員 中村省吾
2)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌オンラインマガジン環環2017年
6月号が発行されました
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201706.html
・循環・廃棄物のけんきゅう:鈴木剛「臭素化ダイオキシン類の適正管理にむけて」
・循環・廃棄物の豆知識:宗清生「災害廃棄物処理に係る現地支援」
・けんきゅうの現場から:蛯江美孝「会議のすすめ-インドネシアの「ないない」会
議-」
3)地球環境研究センターニュース2017年7月号が発行されました
・富士山頂での大気中CO2濃度の長期観測-アジア域の炭素循環の変化を見
いだすために-
・「いぶき」(GOSAT)から見た、地球全体の大気中二酸化炭素濃度の変動の様子
・COSP情報交換グループ支援と最適化に関する研究集会参加報告
・土地利用に関わるネガティブエミッション技術(LUNETs) 食料安全保障など
持続可能な開発目標(SDGs)への示唆-GCP/MaGNETワークショップ報告-
・四日市公害と環境未来館開館2周年記念 江守正多氏講演「地球温暖化と私
たちの未来」
・パネル・展示1:JAL(日本航空)とコラボした大気観測プロジェクト「CONTRAIL」
・パネル・展示2:永久凍土からメタン!?巨大永久凍土が解けている
・体験イベント:自転車de発電
・2050年までに温室効果ガスをどう減らす?-春の環境講座で環境サイエンスカ
フェを開催しました-
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