国立研究開発法人国立環境研究所メールマガジン5月号
2018/05/02 (Wed) 12:00
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メールマガジン2018年5月号
発行:国立研究開発法人国立環境研究所 企画部広報室
メールマガジンに関するお問い合わせ: kouhou0@nies.go.jp
ホームページ: http://www.nies.go.jp/
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例年よりも気温が高めですが、新緑が美しい今日この頃。国立環境研究所では、地球温暖化について2つの報道発表を行いました。それぞれの発表は「増加」と「減少」がキーワードになっています。
環境省と共にとりまとめた2016年度の我が国の温室効果ガス総排出量(確報値)は前年度よりも1.2%「減少」したとのこと。また、白神山地の長期的な実験データが裏付けたのは土壌から排出される二酸化炭素量が温暖化によって「増加」することでした。気象庁によると今年の夏は全国的に平年より気温が高くなると予想されています。これからやってくる暑い夏は、気温を直接肌で感じることで、温暖化が誰にとっても「自分ごと」になるしかない季節とも言えます。この機会にぜひ地球温暖化について考えてみてはいかがでしょうか。
それではNIESメールマガジン2018年5月号をお届けいたします。〈H. K〉
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【報道発表】
1)2016年度(平成28年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180424/20180424.html
2)白神山地でも温暖化によって土壌から排出される二酸化炭素が増加
-長期の疑似温暖化実験で土壌有機物の分解が促進される-【お知らせ】
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180416/20180416.html
【刊行案内】
1)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌、オンラインマガジン環環2018年4月号「化学物質の環境排出量と廃棄物処理・リサイクル」「最近の中国の廃棄物原料 輸入規制強化とその影響」が公開されました。
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201804.html
2)地球環境研究センターニュース2018年5月号「炭素中立世界を先駆けるブータン」発行
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/
3)刊行物-NIESレターふくしま
http://www.nies.go.jp/fukushima/pub-magazine.html
4)「iPS細胞を活用したin vitroハザード評価システムの構築に関する研究 平成26~28年度」国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412-4/20180412-4.html
5)「ハウスダスト中の化学物質が誘導する発達神経毒性の包括的理解に向けた多面的評価法確立 平成26~28年度」
国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412-3/20180412-3.html
6)「生物多様性と地域経済を考慮した亜熱帯島嶼環境保全策に関する研究平成25~27年度」
国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412/20180412.html
7)「観測と数値予報を統合したPM2.5注意喚起手法の改良 平成25~27年度」
国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412-2/20180412-2.html
8)「スモッグの正体を追いかける-VOCからエアロゾルまで-」
国立環境研究所「環境儀」第68号の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412-5/20180412-5.html
【イベント関係】
1)春の環境講座-地球のことでアタマをいっぱいにする1日。-開催のお知らせ【終了しました】
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180320/20180320.html
2)国立研究開発法人国立環境研究所 公開シンポジウム2018水から考える環境のこれから-開催のお知らせ
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180420/20180420.html
【その他】
1)NIES国際フォーラム開催レポート第5弾 「アジアにおけるさらなる研究協力に向けて」
http://www.nies.go.jp/event/forum/2017/201804024.html
2)日本微生物資源学会第25回大会が国立環境研究所で開催されます
http://www.nies.go.jp/biology/pr/ev.html#20180613
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【報道発表】
1)2016年度(平成28年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180424/20180424.html
環境省と国立環境研究所は、今般、2016年度の我が国の温室効果ガス排出量(確報値(注1)) をとりまとめました。
2016年度の温室効果ガスの総排出量(注2)は13億700万トン(二酸化炭素(CO2)換算)で、前年度比1.2%減(2013年度比7.3%減、2005年度比5.2%減)でした。前年度からの減少要因としては、省エネ等によるエネルギー消費量の減少とともに、太陽光発電及び風力発電等の導入拡大や原子力発電の再稼働等によるエネルギーの国内供給量に占める非化石燃料の割合の増加等のため、エネルギー起源のCO2排出量が減少したことなどが挙げられます。
2)白神山地でも温暖化によって土壌から排出される二酸化炭素が増加
-長期の疑似温暖化実験で土壌有機物の分解が促進される-【お知らせ】
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180416/20180416.html
植物根の新陳代謝及び土壌微生物の働きによって、土壌の表面からは、多量の二酸化炭素が放出されています。地球全体の土壌から排出される二酸化炭素量は、2008年の時点で年間約3,600億トンと推定されています。そのうちの約7割の二酸化炭素は、土壌中に存在する微生物が、土壌有機物を分解することによって発生すると考えられています。この有機物の分解速度は、温度上昇と共に顕著に上昇することが知られています。そのため、地球温暖化によって土壌から排出される二酸化炭素が増加し、さらに地球温暖化に拍車をかける可能性が懸念されていますが、それを検証する長期的な実験データは非常に限られています。
国立研究開発法人国立環境研究所(以下、『国立環境研究所』という)と弘前大学は、白神山地のミズナラ林で行っていた5年間の長期的な温暖化操作実験(赤外線ヒーターによって土壌を人工的に温暖化させる実験)の結果から、微生物が土壌有機物を分解することによって発生する二酸化炭素の量が、1℃当たりの温暖化で6.2~17.7%(5年間の平均は10.9%)増加することを明らかにしました。また、この温暖化による二酸化炭素排出量の増進効果は、降雨の頻度と密接に関わっている事を示しました。
本研究から、白神山地のような冷涼湿潤な落葉広葉樹林帯でも、土壌に蓄積されている有機物の分解速度は、温暖化によって長期的に促進されることが示されました。
本研究の結果*は、2018年4月6日に米国地球科学連合(AGU)の学術誌「Journal of Geophysical Research: Biogeosciences」に掲載されました。
【刊行案内】
1)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌、オンラインマガジン環環2018年4月号「化学物質の環境排出量と廃棄物処理・リサイクル」「最近の中国の廃棄物原料 輸入規制強化とその影響」が公開されました。
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201804.html
2)地球環境研究センターニュース2018年5月号「炭素中立世界を先駆けるブータン」発行
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/
3)刊行物-NIESレターふくしま
http://www.nies.go.jp/fukushima/pub-magazine.html
• 新年度のご挨拶
国立環境研究所 理事長 渡辺 知保
• 淡水魚の放射性セシウム濃度が下がりにくいのはなぜ?
福島支部 環境影響評価研究室 研究員 石井 弓美子
• 専門研究に関する情報発信と外部機関との意見交換の紹介
福島支部 汚染廃棄物管理研究室 主任研究員 山田 一夫
• 最近の動向 2月・3月
4)「iPS細胞を活用したin vitroハザード評価システムの構築に関する研究 平成26~28年度」国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412-4/20180412-4.html
国立研究開発法人国立環境研究所(以下、『国立環境研究所』という。)では、「国立環境研究所研究プロジェクト報告」として、「iPS細胞を活用したin vitroハザード評価システムの構築に関する研究 平成26~28年度」を刊行します。
本報告書は、ヒトおよびマウスiPS細胞を用いて、呼吸器への毒性が評価可能なハザード評価システムの構築を行うとともに、大気環境中に存在する化学物質等を対象として毒性評価を行い、潜在的なハザードを明らかにすることについて取りまとめたものです。ヒトiPS細胞については、呼吸器を構成する各種の肺上皮細胞への分化誘導を行い、有害化学物質の毒性評価を実施しました。マウスiPS細胞からは、免疫系のマクロファージへの誘導を行い、更に大気汚染物質による影響を解析した結果、炎症や酸化ストレス反応といった毒性影響が検出されました。
5)「ハウスダスト中の化学物質が誘導する発達神経毒性の包括的理解に向けた多面的評価法確立 平成26~28年度」
国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412-3/20180412-3.html
国立研究開発法人国立環境研究所(以下、『国立環境研究所』という。)では、「国立環境研究所研究プロジェクト報告」として、「ハウスダスト中の化学物質が誘導する発達神経毒性の包括的理解に向けた多面的評価法確立 平成26~28年度」を刊行します。
本報告書は、化学物質の発達期の脳への有害性を動物モデルで評価する手法を開発するプロジェクトの成果を取りまとめたものです。生活環境中に存在する化学物質の発達期曝露影響を多面的に評価することができる体制を構築し、未だ有害性が確定していない化学物質に対する影響評価を行うことで評価の有効性を検討しました。その結果、特定の農薬や難燃剤を評価する際に役立つ有用なエンドポイント(評価項目)やバイオマーカー(生体の生理的変化を定量的に把握する指標)を提示することができました。
6)「生物多様性と地域経済を考慮した亜熱帯島嶼環境保全策に関する研究平成25~27年度」
国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412/20180412.html
国立研究開発法人国立環境研究所(以下、『国立環境研究所』という。)では、「国立環境研究所研究プロジェクト報告」として、「生物多様性と地域経済を考慮した亜熱帯島嶼環境保全策に関する研究 平成25~27年度」を刊行します。
本報告書は、沖縄県久米島において生物多様性を損なっている大きな原因である農地からの土砂流出問題に対して、生物調査に基づく削減目標の設定、定点カメラ観測と土砂流出モデルによる発生源の特定、そして農業経営を考慮した対策の費用便益分析を行いました。これによって、経済を考慮した生物多様性保全を行うことが可能となります。本研究の成果は久米島のみならず他の地域への展開が期待されます。
7)「観測と数値予報を統合したPM2.5注意喚起手法の改良 平成25~27年度」
国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412-2/20180412-2.html
国立研究開発法人国立環境研究所(以下、『国立環境研究所』という。)では、「国立環境研究所研究プロジェクト報告」として、「観測と数値予報を統合したPM2.5注意喚起手法の改良 平成25~27年度」を刊行します。
本報告書は、日平均濃度が70µg m-3を超えると予想される場合に発令されるPM2.5に関する注意喚起の判断手法を改良する取組みについて取りまとめたものです。大気汚染の数値予測システムを改良するとともに、観測データを用いた注意喚起の判断について現在用いられている手法とは別の手法を用いることによって、PM2.5高濃度の予想の見逃しを大きく減じることが可能であることを示しました。
8)「スモッグの正体を追いかける-VOCからエアロゾルまで-」
国立環境研究所「環境儀」第68号の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412-5/20180412-5.html
国立研究開発法人国立環境研究所(以下、『国立環境研究所』という。)は、研究成果等をわかりやすく伝える研究情報誌「環境儀」の最新号、「スモッグの正体を追いかける-VOCからエアロゾルまで-」を刊行します。
大気に排出された化学物質は、あるときは太陽光の降り注ぐ日中に、またあるときは夜間に起こる化学変化により別の物質に変化します。化学変化によって生じる二次汚染物質は、直接排出された汚染物質とともに、環境、人体及び生態系に有害な影響を及ぼす恐れがあります。
国立環境研究所では、大気中の化学変化を調べるための「スモッグチャンバー」と呼ばれる装置を使って、光化学オキシダントや二次有機エアロゾル(PM2.5の主要成分の一つ)の発生に関連する化学変化のメカニズムの解明に取り組んできました。
本号では、「スモッグチャンバー」の仕組みや、オキシダントと二次有機エアロゾルの発生プロセス等について解説します。
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例年よりも気温が高めですが、新緑が美しい今日この頃。国立環境研究所では、地球温暖化について2つの報道発表を行いました。それぞれの発表は「増加」と「減少」がキーワードになっています。
環境省と共にとりまとめた2016年度の我が国の温室効果ガス総排出量(確報値)は前年度よりも1.2%「減少」したとのこと。また、白神山地の長期的な実験データが裏付けたのは土壌から排出される二酸化炭素量が温暖化によって「増加」することでした。気象庁によると今年の夏は全国的に平年より気温が高くなると予想されています。これからやってくる暑い夏は、気温を直接肌で感じることで、温暖化が誰にとっても「自分ごと」になるしかない季節とも言えます。この機会にぜひ地球温暖化について考えてみてはいかがでしょうか。
それではNIESメールマガジン2018年5月号をお届けいたします。〈H. K〉
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【報道発表】
1)2016年度(平成28年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180424/20180424.html
2)白神山地でも温暖化によって土壌から排出される二酸化炭素が増加
-長期の疑似温暖化実験で土壌有機物の分解が促進される-【お知らせ】
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2)地球環境研究センターニュース2018年5月号「炭素中立世界を先駆けるブータン」発行
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3)刊行物-NIESレターふくしま
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4)「iPS細胞を活用したin vitroハザード評価システムの構築に関する研究 平成26~28年度」国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について(お知らせ)
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5)「ハウスダスト中の化学物質が誘導する発達神経毒性の包括的理解に向けた多面的評価法確立 平成26~28年度」
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6)「生物多様性と地域経済を考慮した亜熱帯島嶼環境保全策に関する研究平成25~27年度」
国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について(お知らせ)
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7)「観測と数値予報を統合したPM2.5注意喚起手法の改良 平成25~27年度」
国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412-2/20180412-2.html
8)「スモッグの正体を追いかける-VOCからエアロゾルまで-」
国立環境研究所「環境儀」第68号の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412-5/20180412-5.html
【イベント関係】
1)春の環境講座-地球のことでアタマをいっぱいにする1日。-開催のお知らせ【終了しました】
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180320/20180320.html
2)国立研究開発法人国立環境研究所 公開シンポジウム2018水から考える環境のこれから-開催のお知らせ
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180420/20180420.html
【その他】
1)NIES国際フォーラム開催レポート第5弾 「アジアにおけるさらなる研究協力に向けて」
http://www.nies.go.jp/event/forum/2017/201804024.html
2)日本微生物資源学会第25回大会が国立環境研究所で開催されます
http://www.nies.go.jp/biology/pr/ev.html#20180613
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【報道発表】
1)2016年度(平成28年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180424/20180424.html
環境省と国立環境研究所は、今般、2016年度の我が国の温室効果ガス排出量(確報値(注1)) をとりまとめました。
2016年度の温室効果ガスの総排出量(注2)は13億700万トン(二酸化炭素(CO2)換算)で、前年度比1.2%減(2013年度比7.3%減、2005年度比5.2%減)でした。前年度からの減少要因としては、省エネ等によるエネルギー消費量の減少とともに、太陽光発電及び風力発電等の導入拡大や原子力発電の再稼働等によるエネルギーの国内供給量に占める非化石燃料の割合の増加等のため、エネルギー起源のCO2排出量が減少したことなどが挙げられます。
2)白神山地でも温暖化によって土壌から排出される二酸化炭素が増加
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植物根の新陳代謝及び土壌微生物の働きによって、土壌の表面からは、多量の二酸化炭素が放出されています。地球全体の土壌から排出される二酸化炭素量は、2008年の時点で年間約3,600億トンと推定されています。そのうちの約7割の二酸化炭素は、土壌中に存在する微生物が、土壌有機物を分解することによって発生すると考えられています。この有機物の分解速度は、温度上昇と共に顕著に上昇することが知られています。そのため、地球温暖化によって土壌から排出される二酸化炭素が増加し、さらに地球温暖化に拍車をかける可能性が懸念されていますが、それを検証する長期的な実験データは非常に限られています。
国立研究開発法人国立環境研究所(以下、『国立環境研究所』という)と弘前大学は、白神山地のミズナラ林で行っていた5年間の長期的な温暖化操作実験(赤外線ヒーターによって土壌を人工的に温暖化させる実験)の結果から、微生物が土壌有機物を分解することによって発生する二酸化炭素の量が、1℃当たりの温暖化で6.2~17.7%(5年間の平均は10.9%)増加することを明らかにしました。また、この温暖化による二酸化炭素排出量の増進効果は、降雨の頻度と密接に関わっている事を示しました。
本研究から、白神山地のような冷涼湿潤な落葉広葉樹林帯でも、土壌に蓄積されている有機物の分解速度は、温暖化によって長期的に促進されることが示されました。
本研究の結果*は、2018年4月6日に米国地球科学連合(AGU)の学術誌「Journal of Geophysical Research: Biogeosciences」に掲載されました。
【刊行案内】
1)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌、オンラインマガジン環環2018年4月号「化学物質の環境排出量と廃棄物処理・リサイクル」「最近の中国の廃棄物原料 輸入規制強化とその影響」が公開されました。
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201804.html
2)地球環境研究センターニュース2018年5月号「炭素中立世界を先駆けるブータン」発行
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3)刊行物-NIESレターふくしま
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• 新年度のご挨拶
国立環境研究所 理事長 渡辺 知保
• 淡水魚の放射性セシウム濃度が下がりにくいのはなぜ?
福島支部 環境影響評価研究室 研究員 石井 弓美子
• 専門研究に関する情報発信と外部機関との意見交換の紹介
福島支部 汚染廃棄物管理研究室 主任研究員 山田 一夫
• 最近の動向 2月・3月
4)「iPS細胞を活用したin vitroハザード評価システムの構築に関する研究 平成26~28年度」国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412-4/20180412-4.html
国立研究開発法人国立環境研究所(以下、『国立環境研究所』という。)では、「国立環境研究所研究プロジェクト報告」として、「iPS細胞を活用したin vitroハザード評価システムの構築に関する研究 平成26~28年度」を刊行します。
本報告書は、ヒトおよびマウスiPS細胞を用いて、呼吸器への毒性が評価可能なハザード評価システムの構築を行うとともに、大気環境中に存在する化学物質等を対象として毒性評価を行い、潜在的なハザードを明らかにすることについて取りまとめたものです。ヒトiPS細胞については、呼吸器を構成する各種の肺上皮細胞への分化誘導を行い、有害化学物質の毒性評価を実施しました。マウスiPS細胞からは、免疫系のマクロファージへの誘導を行い、更に大気汚染物質による影響を解析した結果、炎症や酸化ストレス反応といった毒性影響が検出されました。
5)「ハウスダスト中の化学物質が誘導する発達神経毒性の包括的理解に向けた多面的評価法確立 平成26~28年度」
国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412-3/20180412-3.html
国立研究開発法人国立環境研究所(以下、『国立環境研究所』という。)では、「国立環境研究所研究プロジェクト報告」として、「ハウスダスト中の化学物質が誘導する発達神経毒性の包括的理解に向けた多面的評価法確立 平成26~28年度」を刊行します。
本報告書は、化学物質の発達期の脳への有害性を動物モデルで評価する手法を開発するプロジェクトの成果を取りまとめたものです。生活環境中に存在する化学物質の発達期曝露影響を多面的に評価することができる体制を構築し、未だ有害性が確定していない化学物質に対する影響評価を行うことで評価の有効性を検討しました。その結果、特定の農薬や難燃剤を評価する際に役立つ有用なエンドポイント(評価項目)やバイオマーカー(生体の生理的変化を定量的に把握する指標)を提示することができました。
6)「生物多様性と地域経済を考慮した亜熱帯島嶼環境保全策に関する研究平成25~27年度」
国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412/20180412.html
国立研究開発法人国立環境研究所(以下、『国立環境研究所』という。)では、「国立環境研究所研究プロジェクト報告」として、「生物多様性と地域経済を考慮した亜熱帯島嶼環境保全策に関する研究 平成25~27年度」を刊行します。
本報告書は、沖縄県久米島において生物多様性を損なっている大きな原因である農地からの土砂流出問題に対して、生物調査に基づく削減目標の設定、定点カメラ観測と土砂流出モデルによる発生源の特定、そして農業経営を考慮した対策の費用便益分析を行いました。これによって、経済を考慮した生物多様性保全を行うことが可能となります。本研究の成果は久米島のみならず他の地域への展開が期待されます。
7)「観測と数値予報を統合したPM2.5注意喚起手法の改良 平成25~27年度」
国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について(お知らせ)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20180412-2/20180412-2.html
国立研究開発法人国立環境研究所(以下、『国立環境研究所』という。)では、「国立環境研究所研究プロジェクト報告」として、「観測と数値予報を統合したPM2.5注意喚起手法の改良 平成25~27年度」を刊行します。
本報告書は、日平均濃度が70µg m-3を超えると予想される場合に発令されるPM2.5に関する注意喚起の判断手法を改良する取組みについて取りまとめたものです。大気汚染の数値予測システムを改良するとともに、観測データを用いた注意喚起の判断について現在用いられている手法とは別の手法を用いることによって、PM2.5高濃度の予想の見逃しを大きく減じることが可能であることを示しました。
8)「スモッグの正体を追いかける-VOCからエアロゾルまで-」
国立環境研究所「環境儀」第68号の刊行について(お知らせ)
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国立研究開発法人国立環境研究所(以下、『国立環境研究所』という。)は、研究成果等をわかりやすく伝える研究情報誌「環境儀」の最新号、「スモッグの正体を追いかける-VOCからエアロゾルまで-」を刊行します。
大気に排出された化学物質は、あるときは太陽光の降り注ぐ日中に、またあるときは夜間に起こる化学変化により別の物質に変化します。化学変化によって生じる二次汚染物質は、直接排出された汚染物質とともに、環境、人体及び生態系に有害な影響を及ぼす恐れがあります。
国立環境研究所では、大気中の化学変化を調べるための「スモッグチャンバー」と呼ばれる装置を使って、光化学オキシダントや二次有機エアロゾル(PM2.5の主要成分の一つ)の発生に関連する化学変化のメカニズムの解明に取り組んできました。
本号では、「スモッグチャンバー」の仕組みや、オキシダントと二次有機エアロゾルの発生プロセス等について解説します。
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