国立環境研究所メールマガジン10月号
2019/10/02 (Wed) 15:00
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メールマガジン2019年10月号
発行:国立研究開発法人国立環境研究所 企画部広報室
メールマガジンに関するお問い合わせ: kouhou0@nies.go.jp
ホームページ: http://www.nies.go.jp/
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秋の声が聞こえる美しい季節が到来しました。
食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋…。皆様はどのような秋をお過ごしでしょうか。
さて、東京農工大学、国立環境研究所、森林総合研究所の研究グループにより、奄美大島において、絶滅危惧種アマミハナサキガエル(以下「カエル」という。)の逃避行動が、侵略的外来種であるフイリマングース(以下「マングース」という。)によって、わずか数十年の間に急速に発達したことが明らかになりました。そして、その変化はマングースを駆除しても戻らないことも解明されました。これは、マングースによってカエルの逃避行動が急速に進化した可能性を示しています。外来種は在来種の数を変えるだけではなく、行動という性質も変えることが明らかになりました。
この研究で、一度定着した外来種により、長期的に様々な影響が残ることが分かりました。外来種の被害を予防するためには、外来種を「入れない、捨てない、拡げない」ことが大切です。国民全員の理解・協力と科学的な知見の集積が求められています。
それでは、10月の国環研メールマガジンをどうぞ。 (H.K)
- - - - - - - - - - - - - - - - - - -CONTENTS- - - - - - - - - - - - - - - - - -
【受賞情報】
1)南齋室長が日本学術振興会特別研究員等審査会専門委員(書面担当)表彰を受賞
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2019/20190630-1.html
受賞者氏名: 南齋 規介(資源循環・廃棄物研究センター)
賞の名称: 特別研究員等審査会専門委員(書面担当)
授賞機関: 独立行政法人日本学術振興会
受賞年月日: 2019年06月30日
受賞対象: 特別研究員審査への貢献
【報道発表】
1)地球温暖化によって熱帯域の積乱雲群は小規模化 ~雲が温暖化をより進行させる可能性~
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20190912/20190912.html
国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 松永 是)地球環境部門環境変動予測研究センター、国立大学法人東京大学大気海洋研究所及び国立研究開発法人国立環境研究所の研究グループは、全球非静力学大気モデル「NICAM」を用いて行われた約100年後を想定した将来地球のシミュレーションデータを解析し、熱帯域の積乱雲の集団が小規模化(雲が非組織化)する可能性を示しました。
熱帯域は地球の熱収支を決める主要な領域であるとともに、熱帯域の雲は地球規模の大気の流れを駆動するエネルギー源の役割を担っています。雲の生成・消滅を詳細に計算し将来予測をした結果、熱帯域の雲が非組織化することを示すとともに、その原因は熱帯域の地球規模の大気の流れが温暖化によって弱まることと関係していることがわかりました。また、雲によって作られる冷気塊のサイズ分布からも雲の非組織化と整合的な結果が得られました。この結果は、人為起源の温室効果ガスの排出量が増加し温暖化が進行した大気では、熱帯域の雲はより温暖化を強めることを示しています。
本研究成果は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書(AR6)等への貢献が期待されるものであり、さらには日本の暖冬頻度や台風の発生数に影響する可能性も示唆するものです。
2)ビビりなやつほど生き残る!? 外来マングースによって在来カエルの逃避行動が急速に発達! ~外来種による在来種への影響の新たな側面~
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20190917/20190917.html
東京農工大学、国立環境研究所、森林総合研究所の研究グループは、奄美大島において、絶滅危惧種アマミハナサキガエル(以下「カエル」という。)の逃避行動が、侵略的外来種であるフイリマングース(以下「マングース」という。)によって、わずか数十年の間に急速に発達し、その変化はマングースを駆除しても戻らない事を明らかにしました。これは、マングースによってカエルの逃避行動が急速に進化した可能性を示しています。外来種は在来種の数を変えるだけではなく、行動という性質も変える事が明らかになりました。
3)世界平均気温を1.5℃の上昇にとどめるために我々が今やるべきこと -気候変動対策への投資は価値ある選択である-
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20190920/20190920.html
国立環境研究所気候変動適応センター副センター長の肱岡靖明を含む、クィーンズランド大学オヴェ・ホゥ・グルベルグ教授(IPCC 1.5度特別報告書統括執筆責任者)らの研究グループは、地球の環境及び生態系のほぼあらゆる局面は気候変動の影響による変化を受けており、将来的にそのいくつかは壊滅的とはいかないまでも深刻になることを明らかにし、世界的指導者に対し気候変動対策を緊急かつ加速的に実行するように求めるべくレビュー論文を公表しました。
これは、アメリカ科学振興協会発行の学術誌「Science」2019年9月19日版に掲載されました。
【刊行案内】
1)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌オンラインマガジン環環9月号「自動車シュレッダーダストに含まれる短鎖塩素化パラフィンの実態を調べる」「資源循環・廃棄物研究センター 2019年夏の大公開」が公開されました。
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201909.html
【その他】
1)対話オフィスのサイトが、ニューリアルオープンしました。
https://taiwa.nies.go.jp/
2)昭和基地におけるFTIR分光器によるO3、HNO3、HClのデータ公開を始めました。
http://db.cger.nies.go.jp/portal/geds/atmosphericAndOceanicMonitoring?lang=jpn#ozone-syowa
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受賞者氏名: 南齋 規介(資源循環・廃棄物研究センター)
賞の名称: 特別研究員等審査会専門委員(書面担当)
授賞機関: 独立行政法人日本学術振興会
受賞年月日: 2019年06月30日
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【報道発表】
1)地球温暖化によって熱帯域の積乱雲群は小規模化 ~雲が温暖化をより進行させる可能性~
http://www.nies.go.jp/whatsnew/20190912/20190912.html
国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 松永 是)地球環境部門環境変動予測研究センター、国立大学法人東京大学大気海洋研究所及び国立研究開発法人国立環境研究所の研究グループは、全球非静力学大気モデル「NICAM」を用いて行われた約100年後を想定した将来地球のシミュレーションデータを解析し、熱帯域の積乱雲の集団が小規模化(雲が非組織化)する可能性を示しました。
熱帯域は地球の熱収支を決める主要な領域であるとともに、熱帯域の雲は地球規模の大気の流れを駆動するエネルギー源の役割を担っています。雲の生成・消滅を詳細に計算し将来予測をした結果、熱帯域の雲が非組織化することを示すとともに、その原因は熱帯域の地球規模の大気の流れが温暖化によって弱まることと関係していることがわかりました。また、雲によって作られる冷気塊のサイズ分布からも雲の非組織化と整合的な結果が得られました。この結果は、人為起源の温室効果ガスの排出量が増加し温暖化が進行した大気では、熱帯域の雲はより温暖化を強めることを示しています。
本研究成果は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書(AR6)等への貢献が期待されるものであり、さらには日本の暖冬頻度や台風の発生数に影響する可能性も示唆するものです。
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http://www.nies.go.jp/whatsnew/20190917/20190917.html
東京農工大学、国立環境研究所、森林総合研究所の研究グループは、奄美大島において、絶滅危惧種アマミハナサキガエル(以下「カエル」という。)の逃避行動が、侵略的外来種であるフイリマングース(以下「マングース」という。)によって、わずか数十年の間に急速に発達し、その変化はマングースを駆除しても戻らない事を明らかにしました。これは、マングースによってカエルの逃避行動が急速に進化した可能性を示しています。外来種は在来種の数を変えるだけではなく、行動という性質も変える事が明らかになりました。
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http://www.nies.go.jp/whatsnew/20190920/20190920.html
国立環境研究所気候変動適応センター副センター長の肱岡靖明を含む、クィーンズランド大学オヴェ・ホゥ・グルベルグ教授(IPCC 1.5度特別報告書統括執筆責任者)らの研究グループは、地球の環境及び生態系のほぼあらゆる局面は気候変動の影響による変化を受けており、将来的にそのいくつかは壊滅的とはいかないまでも深刻になることを明らかにし、世界的指導者に対し気候変動対策を緊急かつ加速的に実行するように求めるべくレビュー論文を公表しました。
これは、アメリカ科学振興協会発行の学術誌「Science」2019年9月19日版に掲載されました。
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1)高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌オンラインマガジン環環9月号「自動車シュレッダーダストに含まれる短鎖塩素化パラフィンの実態を調べる」「資源循環・廃棄物研究センター 2019年夏の大公開」が公開されました。
http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/top/201909.html
【その他】
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http://db.cger.nies.go.jp/portal/geds/atmosphericAndOceanicMonitoring?lang=jpn#ozone-syowa
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