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Vol.600 子ども服、安全性を意識して選んでいますか?

図:ひもやフードが引っ掛かっている子どものイラスト。政府広報オンラインより。左上:滑り台にフードのひもが引っかかっている男の子。右上:自転車の後輪に服の紐が引っかかっている女の子。左下:電車のドアにズボンの飾り紐が引っかかった女の子。右下:ドアのフードのが引っかかった男の子

子どもが着る服を選ぶとき、その服を着て行動する様子をイメージしていますか。走ったり、跳びはねたり、よじ登ったり駆け下りたり、活発に動き回る子どもの服にひもやフードが付いていると、意図せず周囲の凹凸や隙間に引っ掛かり、転倒や窒息などのおそれがあります。
保育園などではフードなど引っ掛かる可能性のある服装を禁止しているところも多くあり、幼い子どもに対しては注意を払っている保護者も多いと思いますが、消費者庁・国民生活センターには、比較的年齢の高い子どもが着ている服の一部が引っかかりけがをした事故の情報が医療機関(※1)から寄せられています。

  • 「木登りをしていて降りるときに、パーカーのフードが引っ掛かり首が絞まって失神した。近くの大人が気づいて地面に降ろしてくれた。自宅に帰宅した後に病院を受診して経過観察のため入院した。」(7歳)
  • 「エスカレーターの手すりに寄りかかって立っていたところ、吊り広告に上着のフードが引っ掛かり、首が絞まった。すぐに周囲の人が体を持ち上げ助けられた。首回りが赤くなり、指と腕を傷めた。」(10歳)
  • 「熱い飲み物を入れたマグカップを持って室内を移動していたところ服が椅子に引っ掛かり、中身が手、下半身、太ももにかかった。やけどのため通院が必要となった。」(11歳)

また、東京都が平成18年に行ったアンケート調査(※2)によると、子どものいる約1,200世帯の77%が子どもの服が関係する事故やヒヤリハットの経験があり、ひもやフードのほか、飾りのリボンなどが引っかかったとの回答もありました。

13歳未満が着用する子ども服のひもの安全については、日本産業規格JIS L 4129(よいふく)が平成27年12月に制定され、年齢層別・身体部位別にひもの有無や長さなどについて示されました。フードそのものはJIS規格の対象ではありませんが、附属書の参考情報として危険性・留意事項が記載されています。

この規格が関連事業者に対する一定の指針となり、より安全な子ども服が流通することが期待されています。
一方で、この規格には強制力がないことから、規格に適合しない製品が生産・販売される可能性があるほか、規格に適合しない海外の子ども服をインターネット通販サイトで簡単に購入できたり、リサイクルショップやフリマアプリ等を通じて中古品の取引、おさがりやハンドメイド品を入手できる環境にあります。
このため、子ども服を選ぶ際は、デザインや快適性等に加えて「安全性」も意識することが重要です。

  • 引っ掛かりやすいひも等がなく、体格に合った服を選びましょう
  • 特に、激しく動き回ることが予想される場所ではひもやフードがない服を着せましょう
  • 家にある服も今一度確認し、危ないひもは外すなど安全に配慮しましょう
(参考)
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担当:消費者安全課