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[2023年5月17日:公表]

学生の就活の不安につけ込むトラブル−Web会議で無料カウンセリング等を受けるだけのつもりが高額契約に−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 就職活動(以下、就活という)中の学生(以下、就活生という)の不安につけ込み、高額なセミナーやビジネススクール等を契約させるトラブルについて、全国の消費生活センター等に相談が寄せられています。

 最近の就活は、企業セミナーや面接のWeb開催のほか、就活生によるSNSでの情報収集等、オンラインの活用が進んでいます。2020年7月に国民生活センターは就活セミナー会場や事業者の事務所等で行われる勧誘について注意喚起(注1)をしましたが、トラブルの傾向にも変化がみられます。現在は就活生がインターネット広告等で見つけた無料カウンセリングに参加するためや、SNSで知り合った人からアドバイスを受けるためにWeb会議に参加したところ、不意打ち的に高額なセミナーやビジネススクール等の契約を勧誘されるケースが目立ちます

 そこで、改めて相談事例やアドバイスを紹介し、トラブル防止のために注意を呼びかけます。

図.PIO-NET(注2)における「就活をきっかけにした学生(注3)の契約(注4)」に関する相談件数の推移
2015年度から2023年4月30日までの「就活をきっかけにした学生の契約」に関する相談件数の推移のグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。

 年度別相談件数:2015年度は124件、2016年度は150件、2017年度は139件、2018年度は165件、2019年度は199件、2020年度は152件、2021年度は136件、2022年度は198件です。

  • (注1)学生の就活の不安につけ込むセミナーや儲け話等の勧誘に注意!(2020年7月16日公表)
  • (注2)消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。2023年4月30日までの登録分。
  • (注3)本資料における学生とは、大学生、大学院生、専門学校生等であり、高校生以下の学生は含んでいない。
  • (注4)本資料における「就活をきっかけにした学生の契約」とは、学生が就活をきっかけに契約したもののうち、就活対策の教室・講座、投資用USBメモリー等の学習教材、投資セミナーやコンサルティング契約等が主な契約のものを指す。

相談事例

Web会議で無料カウンセリングを受けたら、高額な就活セミナーを勧誘された

 就活に悩み、SNSで就活塾の広告を見てサイトに登録し、Web会議での無料カウンセリングを受けた。「自己分析や面接対策のセミナーを受ければ大手企業に100%内定する」と言われた。約50万円かかると言われたが、その場で判断するよう迫られ、考える余裕もなく勧められるまま申し込んだ。その後、「セミナーのオリエンテーションのために頭金2万円を支払うように」と言われ、振り込んだ。Web会議でのオリエンテーションでセミナーの説明を受け、電子の契約書面にサインをした。

 後日、友人に相談すると高額だと言われ、無料通話アプリのメッセージで「高額で支払えないのでやめたい」と担当者に伝えると、「今やめるのはもったいない。みんな苦しくてもローンで支払っている」と電話で説得され、解約に応じてもらえなかった。その後、担当者やローン会社からの電話に出ないでいると、無料通話アプリのメッセージで「解約に応じる」と連絡が来た。しかし、解約料として契約金額の20%を請求され、納得できない。

(2022年5月受付 20歳代 男性)

その他、以下のような相談も寄せられています

  • Web会議で就活のアドバイスをもらうはずが、高額なプログラミングスクールを勧誘された。

就活生へのアドバイス

  • 無料カウンセリングのつもりでWeb会議に参加しても、いきなり高額な契約の勧誘を受けることがあるため注意しましょう。
  • SNSで知り合った人からの一見親切な誘いは、高額な契約の勧誘が目的の恐れがあるため注意しましょう。
  • 断定的な説明や就活生の不安をあおる言葉に注意しましょう。
  • 安易にクレジットの高額決済や借金をしないようにしましょう。
  • 契約してしまっても、クーリング・オフや契約の取り消しができる場合があります。
  • 不安に思った場合は早めに消費生活センター等に相談しましょう。
*消費者ホットライン「188(いやや!)」番
最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。

啓発資料


本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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