※以前名刺交換させて頂いた方に送信させて頂いております。
こんにちは。
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこです。

「分かりにくい」をいかに伝えるか。

「絵筆」は、「分かりにくいけれど大事なこと」を分かってほしいリーダーのみなさんと共に頑張っているわけですが、先月から「データサイエンス」の世界の「分かりにくい」に、ちょっとでも興味を持ってもらおうとYouTube動画に挑戦しています。第一弾が上のスクショ画像。(画像をクリックするとBlog&動画に飛びます)。

野村総研 未来創発センター データサイエンスラボさまの新しい取り組み。数ある「データサイエンス用語」から、「今これがビジネスで重要だよ、話題だよ」を選んで私のような「そもそもデータサイエンスって何?」と思っている社会人向けにさらりと紹介する2分動画(絵巻物)です。

ただ、当初の私のギモンは「そもそも動画(絵巻物)にする意味ありますか?」でした。「ちゃんと理解したい人には、動画より、図解やイラスト(静止画)のほうが分かりやすいし速いし正確なのでは? 私よりイラストレーターさんやデザイナーさんにお願いしては?」と。

するとこの企画の仕掛け人Hさんはこうおっしゃいました。「ちゃんと理解したい人にはNRIの用語解説ページがある。動画はスピード感と感覚的な理解を重視しているので、これでいいんです」

感覚的な理解」!!!

それはまさに「絵巻物」の得意分野。「そうそう、こんな感じ」という曖昧で「感覚的な会話」でつながることで「情報の共有」よりも「感情の共有」をしています。ん?でも、だとすると、裏を返すと絵巻物が呼ばれる「伝わらない」「腹落ちしていない」「浸透しない」という組織やプロジェクトが共通して抱える問題は、言葉や数字で「頭で理解」しよう・させようとして「分かり合えない」でいる、とも言えるかも。
 


「頭で理解」VS「感覚的に理解」

「分かりにくい」ことって頭で理解」したい相手にはめっぽう嫌われます。特に、社内に理解を求める場合。新しいビジョンとか施策など「分かりにくいけれど大事なこと」を分かりあいたいときほど、何が言いたいのか分からない」とか分かりやすく説明してくれないと分からない」と言われます。

伝える側も「きちんと要点を整理して」「数字や根拠を揃えて」「結論から」「論理立てて」「経緯も説明」するのだけど、そんなプレゼンの常識が返って逆効果となって、また「頭で理解」したい人達の「分からない」という受け身を引き出す負のループ。

でも、じゃあ「分かりやすく説明」したら本当に納得してくれるの?と絵筆を持つ手は言いたくなります。だって「分かりにくい」と反論してくれるならまだ良いほうで、多くは「無言・無反応」な人たち。

「理解はしたけど、納得してない」
「正論だけど、ワクワクしてない」
「分かりやすいけど、残ってない」

「頭で理解」したとしても「気持ち」は動いてない人たちに「論理立ててきちんと説明」したところで、本当に心を動かすことができるのか?


「頭で理解」したいわけじゃない。

一方、グラフィックファシリテーションは、思考と会話と表情までもカタくなった人たちを「柔らかくしたい」と言われて出かけていくことが多いのですが、いざ当日、絵巻物の前で「そうそう、こんな感じ」と曖昧で感覚的な会話で「感覚的な理解」を楽しんでいるみなさんの姿を見るといつも「どこがカタイの?」と思います。

すぐに答えが分からない「分かりにくい」からこそ、みなさんの脳はワクワクしていて前のめり。受け身だったとは思えないくらい気づけば饒舌。そんな「柔らかい」姿を見る度、みなさん本当は決定事項を聞かされる前から巻き込まれたかったんじゃないのかなと思うのです。

口では「余計なことに巻き込まないで」とか言うので、伝える側は結論が見えてから分かりやすく伝えようとするのだけど、だからといって聞き手は「頭で理解」したいわけじゃない。結論だけ、決定事項だけ聞かされても「ツマラナイ」。むしろ腹落ちしたいからこそ「感覚的な理解をさせてくれよ」と言っているようにしか見えません。
説得よりも「共感」の時代。
説明よりも「対話」の時代。

「絵があれば感覚的な理解もしやすいだろうけど」と言われそうですが、説明する資料にイラストや図解を入れたり、最近は映像を使うプレゼンも増えましたが、社内の場合それらが「決定事項」ならやっぱり聞き手はツマラナイ。

みんなが前のめりで語り出すのは、決定に至る手前、なぜそう思ったのかモヤモヤネガネガを自分たちで語り合って共感したとき。グラフィックファシリテーションの現場では、あえてその会話をしてもらってそれが絵巻物になるから盛り上がるんです(つまり絵は後)。そして絵巻物が後から見た人を巻き込めるのは、まだ結論が出ていない途中で不完全な状態だから。ツッコめる余地があるのが受け身にさせない秘訣です。

伝える側は、聞き手にモヤモヤさせないようにと、結論が出てから、なるべく一回・短時間で分かりやすく説明しようとしがちです。でも結局「腹落ちしてない」と説明・説得に時間がかかっている相談を受けるたび、「結論はまだ分からないんだけどね」という状態から早めに「一緒にモヤモヤ」してもらい興味をもってもらうことが本当の意味で近道では?と思います。

事実、巻き込み上手なリーダーの方たちは「今こんな話をしてるんですけどモヤモヤしてて」とか「ちょっとブレストに顔出してくれますか」と声をかけて、そのプロジェクトや施策について「なんとなく聞いたことがある人たち」を増やしていますよね。特に非公式な場で、廊下ですれ違った時に立ち話したり、飲みに行って話したり。

オンラインが増えた今こそ、小まめな結論なしのモヤモヤの共有が大事な時だと思います。社内変革は簡単ではないけれど、みんな本当は「巻き込まれたい」と思っています。それを信じてぜひ!

ちなみに私はビデオ会議で初対面でも「…ってことは、どういうことなんですかねえ?」と自問自答みたいなモヤモヤをつぶやいてしまうので「この人、何が言いたいの?」と毎回不審がられています。でも「どう思いますか?」と聞くと、思わぬ考えや想いが聞けるのでその度に「つぶやいてよかった」と思ってます。

ただ、公私関係なく、ついモヤモヤをぶつけ続けてしまうので、ふと「相手からしたらウザいだろうな」と我に返ります。自分でもビックリするくらいシツコイので。被害者の会を結成したら入会者が続出しそうなくらい。でもやっぱり「分かりあいたいくらい大事なこと」だから、、、止められないんですけどね(^^)。「分かりにくい」こと大好きです。

【YouTube動画】第一弾「クッキーレス時代の到来って?」→  blog&動画はこちら

動画はたった2分ですが「わたし、にわかデータサイエンス知ったかブリ子になってます」とNRIデータサイエンスラボの方に言ったら、「YouTubeを見た人が、そんな気持ちになってくれたら嬉しい」とおっしゃってました。「データサイエンスなんて難しそう」と敬遠していたら、わたしと一緒に感覚的な理解」から始めてみませんか。

第二弾「機械学習と統計学の関係」、第三弾「今、話題の因果推論」、第四弾「ディープラーニング」と続きます。

またメールします(^^)。

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1つに(Unify)なあれ。
株式会社ユニファイナアレ
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこ