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こんにちは。
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこです。

最近「デザイン思考か、アート思考か」という話が、別の打ち合わせで3回も出たので、今回はその話題。面白い話を聞きました。(※ちなみに上の絵を描いたのは5年前)

「役員が『うちはデザイン思考じゃなくて、アート思考を取り入れたい』と言ってるんです」

「へ?その心は?」

「『他人の困り事を解決する』前に、社員には自分が本当にやりたいことを『自分の中から見つけほしい』…ということらしいです」

「えーーーッ!?」

*おススメ*『デザイン思考とアート思考』@日経新聞
京都産業大学 森永泰史教授の10回連載記事。1つ1つは短くて分かりやすい♪

もし、デザイン思考を取り入れてみたけれど「自分事になっていない」社員の方たちを見てそうおっしゃってるとしたら、まず誤解を解きたい!デザイン思考も「自分が心からなんとかしたい」と思えるかどうか。他人事から自分事への変容が一番のカギだから。

ただ実際、私が絵筆でお供する、デザイン思考を取り入れた新規事業創出プログラムなどで、クライアントを支援・伴走する皆さんが一番苦労されているのも、そこ。

知識や理論は学んだ。フィールドワークもした。ビジネスモデルも書いた。ミッションもビジョンも言語化した。しかし…提案の中身はフワッとしている。まさに絵巻物には「ハートが描けない」状態。それは絵空事で終わるサインでもあります。

そこで「ばかり使ってないで、心・感情をモヤモヤ動かさないとね」というのがグラフィックファシリテーションの役割なのですが。そんな絵筆から言えることは、「デザイン思考ではなくアート思考で」といくら「思考法」を変えてみても、根っこが頭でっかちなままでは、やっぱりフワッとした提案しか出てきません。

そもそも、デザイン思考も、アート思考も、絵にするにはどちらも「思考」という文字がなんだかカタい。この漢字二文字が、じつはますます役員の方の頭も、受講者の頭も、提供する側の頭も、(下の絵のように)カタクしちゃっているのではないかと、最近強く感じています。

というのも、デザイン思考を取り入れたプログラムの中身自体、ここ3~4年でどこもかなりブラッシュアップされてきました。その進化に感心すると共に気になるのは、メニューや投影スライドを見ると、普段の会議でも見慣れた、「論理的思考」が好きそうな言葉が、以前に増していっぱいに並んでいることです。

たとえば、例を挙げ出すとキリがないのですが、ビジネスモデルキャンパスバリュープロポジションというツールを取り入れたプログラム。話題になった当初は柔らかい絵が描けてました。うまく使える人は「いい絵」が描ける。でも最近は指導する側も「思考」が強いのか、「普段のフレームワーク」を使った分析的な会話になってしまって「無機質な絵」しか描けてこない。本来は「固定概念の枠(フレーム)から飛び出そう」といったプログラムだったはずなのに。

なんだか「難しくなっちゃったなあ」という印象。昔はもっとシンプルでした。もっと「ハートに直球!」って感じだったのに。(昔って言っても3~4年前ですけどね)

「ゆにさん、うちの会社の人たちはカタイんですよ」「社内の常識思考で凝り固まってる」「わたし自身もそう」「シカクイ頭を柔らかくしたい」「新しいことをやっていくには、もっとクリエイティブになりたい」。

そんな「思考の殻を打ち破るために、デザイナーやアーティストの「頭の中」だけでなく、その感覚・感性・感度も学びたい。彼らの見ていること、聞いていること、感じていることを、自分たちも体感して、自由な発想力や表現力を手に入れたい。そんなシンプルな期待でした。

プログラムがスタートしてからも、絵巻物が呼ばれるとき、皆さんの言葉はハートに直球ストレート。「なんかさ、つまんないんだよ」「話し合っている本人たちが、ワクワクしてないんだよね」。

対して、ここ最近のご相談内容は、めちゃくちゃスマートです。「ビジネスアイデアの解像度がまだ全然粗い」とか「そのビジネスモデルで具体的に誰がどう幸せになっていくのかストーリーが見えない」とか。皆さん、絵巻物を描いた経験のあるグラフィックファシリテーターのような表現をされるので、わたしのほうがビックリしています。

企業側の期待も複雑になりました。「クリエイティブな発想で、未来志向で、スピード感を持って、今までにない面白いアイデアで挑戦してほしいけれど、それだけではダメで、一人一人がリーダーシップを持って、ちゃんと儲かる仕組みまで考えて実装して、社会インパクトのある新しい事業の柱をつくってほしい」

あの昔のシンプルな「アタマは柔らかく、もっと心・感情を動かせ」という想いも、今はone of themの1つにすぎません。
でもでもでも、やっぱり最後はハートが問われるんです。経営層にプレゼンする時、必ず問われる「2つの問い」がありますよね。「それで儲かるのか?」と「それをなぜウチの会社がやるのか?」。ハートの描けないプレゼンは、この二つの問いで早々に玉砕します。

ハートだけで乗り越えられるわけじゃないけれど、絵筆を持っていろんな場面に立ち会ってきて、結局、経営層や決裁者が聞きたいことは「あなたにハートがあるのか、ないのか」これに尽きるのではないかと。「あなたは本当にやりたいのか。腹の底から、それをなんとかしたいと思って考え抜いたのか。それだったらやってみろ。応援してやる!」と。

絵巻物の上でも正直、デザイン思考でもアート思考でもどちらでもよくて、最後に描き出したいのはただ1つ。絵空事に終わらせない皆さんのハートです。話し合っている場が、新規事業提案でも、未来ロードマップの策定でも、イノベーションリーダー研修でも、リビングラボでも、何でもよいのですが、共通するのは一人一人のハートが描けるかどうかが、そのプロジェクトの成功のカギを握っています。

ただ、そう簡単に描けてこないのもハートです。キレイゴトでは描けません。心・感情を動かしてモヤモヤネガネガしないと!だから、デザイナーやアーティストの方たちの「思考」だけでなく、心の態度・動き、特にモヤモヤ怒り・葛藤、生み出す苦しみを味わって欲しいです。

難しいから楽しい。分からないから面白い。そんな熱くなれる何かと出逢えると、人は本当にワクワクしてきて自然とハートが描けてきます。ネガポジ最高!「思考」がためらう、よく分からない・慣れない・居心地の悪いモヤモヤネガネガにこそ、未来です。

↓ハート、ハートと連呼しましたが「絵巻物に描けるハートって何?」という話と「ハートに火をつけるためのネガポジ設計」のお話は、下記「 グラレコと何が違う?」ページで紹介しています。画像をクリックすると飛びます。


NRIデータサイエンス用語解説動画 第3弾

因果関係がある」という言葉、統計学的には
そう簡単には言えないって知ってました?!
わたしはテキトーに使ってました(^^ゞ。今回解説する「因果推論」は、「因果関係があるとは言い切れないけれど、精度高く推計する(推しはかる)ことならできる」ようになりビジネスにも応用できる!と、データサイエンスの世界では最近ホットな話題なのだそう。って、分かったような分からないような…。詳細&動画は→ こちらから これからのビジネス一般教養としてまずは「耳かじって(目かじって?)」みてください。

【また身長が伸びました】
30歳のとき161.8cmだった身長が、今年の人間ドッグで164.4cmになりました。毎年「いや誤差でしょ」と思ってきたけど過去4年間は164cmをキープ。さすがに、間違いなく伸びてる。「思い当たることは?」と聞く友人たちに「椅子を捨ててバランスボールに変えたからかも!」と言っても皆「……」ノーリアクション。結構まじめにそう思ってるんだけど、データサイエンスの話の後に今これを書きながら、根拠の無い話をしていた自分に我にかえりました(-_-)。外身だけでなく中身もちゃんと成長したいデス。

またメールします。

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1つに(Unify)なあれ。
株式会社ユニファイナアレ
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこ