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※『OCEANS』で連載スタート。メールのさいごにて。

こんにちは。
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこです。

上の写真は、今年、緊急事態宣言下で実施した、参加者は全員、自宅からオンライン参加のワークショップ。事務局の子がライブ配信をしてくれている様子です。2時間ほどの対話から描けた絵巻物の解説(グラフィックフィードバック)を私がしているところ。30分はかかるので毎度、彼・彼女らの腕を疲れさせています。 

弊社、今月13期目に入りまして、毎年、設立日(11/11)に1年のふりかえりを blogに地味に書き続けているのですが、今年書き留めておきたかったのは、やはりこうしたオンラインワークショップで得た経験の数々。すっかりグラフィックファシリテーションの現場はリアルに戻っているので尚のこと。

特に新たなツール、オンラインホワイトボードは予想以上によかったです。グループに分かれて対話するワールドカフェもこれで実現。みなさんは使ったことありますか?とにかく「みんなが一斉に付箋に書き込める」という機能が素晴らしい。

みんなの本音が見える、見える、見えてくる。みんなが普段、何にモヤモヤしているのか。今の働き方や組織、プロジェクトに対して、正直、どう感じているのか。対面でも付箋に書く作業をしてもらっているのですが、リアルタイムに文字が現れてくるオンラインは臨場感が違いました。

そんな付箋が書かれる様子(動画)は、下の画像をクリックすると弊社instagramでのぞき見できます。文字はハッキリ見えないようにしていますが、一斉にカーソルが動いている様子から、一人一人が、戸惑いつつも、ためらいつつも、心に抱えたモヤモヤを書き出してくれている姿が伝わるかと思います。

みなさんは、自組織のメンバーや支援するプロジェクトのメンバーが「心の中で本当は何を思っているのか」知りたいと思ったことはありますか。

みんなの心の声が「見える」と、いいことづくめ。

「え?上司の仕事の振り方にそんなに不公平感を抱いていたの?」とか、「社内資料の修正にそんなに時間を取られてるの?!」とか、「カスタマーに直接会わずにそんな議論を進めちゃってるの?!」とか。

時には、問題ないように見えた組織でも、じつは一人二人と気持ちが離れていっていたところを繋ぎ留めたこともありました。

現場の「本当の問題」を把握しないまま、新しい改革プランやビジョンを立てて、先へ、前へ進もうとする組織やプロジェクトは本当に多い。もし「うまく浸透しない」「自律的な組織にならない」とモヤモヤしていたら、「現場の生の声」を一日でも速く聞きに行ってほしいです。

「よかれと思ってつくった施策が、いかに一方的なものか分かった」とか「中間管理職がまさか、メンバーに目的や意義を伝えられていないとは」とか。見えてくると「なーんだ」「速く言ってよ」ってことばかりです。

モヤモヤを書き出した人たちからも、下の絵のような気づきが聞こえてくるのも、また「見えた」よさ。

「自分だけじゃなかったんだ」
「みんな同じことにモヤモヤしてたんだ」
「そんなふうに感じている人もいたんだ」


つい先日、20代を集めたワークショップでは最後にこんな宣言が聞こえてきて、管理職の方たちを驚かせていました。

「モヤモヤをきちんと言葉にして、上の人に伝えていく勇気を持ちます」
「モヤモヤしちゃいけないと思ってきたけど、会社を良くするために周りに伝えていきます」


1on1では解決しないことも、20~30人で一斉に気持ちを共有したら、あっさり、他責から自責へと変容して解決することがたくさんあります。「見える」と分かってくるのは、
大半が誤解や思い込みによるすれ違いなんですよね。お互い、単に知らないだけ、質問していないだけ、分かってくれてると思って伝えていないだけ。どっちが悪いわけじゃない。五分五分です。

よくある「組織サーベイ」結果への対策も変わります。以前ある組織で「上司が部下の業務を把握していない」という結果に対して「ゆにさん、上司が『毎日の業務内容を細かく書いて提出しろ』と言い出してみんな疲弊してるんです」と相談されたことがあります。みんなでモヤモヤしていることを書き出してみたら、「上司が経営層からの突発的な仕事を何でも受けてしまう」という付箋がたくさん見えてきました。

よく「見える化のコツを教えてください」と言われます。「見える化」=「整理する、構造化する」ことを期待されているんだろうなと思いつつ、毎度、期待外れの回答をしています。グラフィックファシリテーションでは、みんなの本当の気持ち・心の声が「見える」場をつくること、そしてそれをみんなで「見る」ことで問題解決していきます。

「見える化」よりも前に、「見えていないこと」に気づくことからとも言えるかもしれません。本来一人一人が持っているはずの未来志向を鈍らせている「モヤモヤした気持ち」は、本人たちも「見えていない」ことがほとんどだからです。
リーダーは「未来が見えない」ことより、
「みんなの気持ちが見えない」ことのほうが不安だった。

「ビジョンを若手に描いてほしい」とか「新しい事業の柱になるものを」と前向きなテーマを掲げるプロジェクトも、どんなワークショップにしたいかと打ちあわせをしていくと、さいごは共通して「みんなが(社員が、お客さまが、生活者が)何を思っているのか」見えないから知りたい、に行きつきます。

今年5~9月の緊急事態宣言下、トータル11回、総参加人数200人超のオンラインでのワークショップを経験させて頂いたのですが、それが実現したのは、一人の役員の方の強い想い「目の前の仕事にみんな真面目に頑張っているからこそ、次の新しい変革に進む前に一度、抱えているモヤモヤを吐き出せてあげたい」という声からでした。

経営層やリーダーの皆さんが、次の打ち手に本当の意味で確信を持てるのは、「未来が描ける(見える)」ことよりも、「みんなの気持ちが見えた」ときなのではないかと思います。「メンバーが何を考えているのか」ぜひためらわず聞いてほしいです。一人一人、根っこには熱い想いを持っています。

4~5人の会議なら、一人一人に「モヤモヤしていること何かある?」と聞けばすむことですが、20人、30人といった組織やプロジェクトなら、「まずは黙って5分一斉にみんなで付箋に書き出す」ワークはオススメです。

わざわざワークショップを開催しなくても、ある方は、定例ミーティングの最初の5分、メンバーに「もっとこうしたらいいのに」と感じることを書いてもらったら「ゆにさん、若手の考えを聞けてプロジェクトがもっとよくなりそうです」とのこと。

モヤモヤは健全な違和感、問題意識です。それを声が大きい小さい関係なく「均等に公平に」引き出せるのもこの付箋ワークのよいところ。

ちなみに、前述の総参加人数200人超のワークショップでは、いろんなオンラインホワイトボードを試したのですが、「付箋の色がカラフルだから、ネガティブなことも楽しく吐き出せそう」という事務局みんなの総意で『miro』に決まりました。「え?さんざん機能性を比較検討してきたのに、さいごはそこ?!」楽しいは最強です。

ただ、実際の運営の裏側では、オンラインとなった途端たくさんのハードルがありました。リアルなら楽に安心安全な場をつくれるのにぃぃぃ。どう壁を乗り越え、楽しく吐きだせる場をつくりあげたのか。事務局の皆さんには本当に頑張っていただきました。詳しくはこちら→ blog「13期目に入りました

私にとっての新常態は(上の写真)いつもの12色のペンと18色の絵の具に新たに加わった、大画面iPad。今まで複数のテーブルの周りを走り回っていたのが、この手元のipadの中を走り回ることで、体力的に楽になるかと思いきや、これがまさかの新たなゼエゼエハアハア。さらなる身体機能の拡張を迫られてます(^^)

*この動画も『miro』で描いてます*
【2分で解説データサイエンス用語】
コンテキストマッチ広告

WEB広告を出す企業側はクッキーを取得できなくなるため(クッキーレス)、新たな広告出稿手法が開発されてきてますが、中でも注目されているというのが今回解説する「コンテキストマッチ広告」。私たちにとっても「嫌な思いをしない」どころか「思わず読みたくなる広告」が可能になるというお話です。詳細&動画は→  こちらから

OCEANSで連載がスタートしました。
リーダー世代のモヤモヤ相談室
「モヤモヤ り~だぁ~ず」
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(ウラ話)会社員時代の同期3人でつくってます。
モヤモヤに答えるのは、人事・採用業界では有名人・人材研究所 代表取締役社長 曽和利光くん。この企画を影で動かしているのは、フリーペーパー『R25』の創刊から毎週60万部発行の成功に導いた元・敏腕編集長 藤井大輔くん。わたしは今回イラスト描きに初挑戦デス。グラフィックファシリテーター(R)として身体中に染みついている「リーダーたちのモヤモヤ」を「そわっち」曽和くんに解決してもらいます。

ところで、「OCEANSの読者層」って何歳くらいだと思います? 答えは→ ウラ話Blogで

【京都の赤】
先週、法事で京都に帰ったら、ちょうど紅葉シーズンまっさかり。義母は「今年の京都の紅葉は汚いねん」と言ってましたが、この燃えるような赤は見惚れます。12年前の、2009年11月11日「いいねーいいねー」の日を選んで法人化したとき、いつも絵筆を動かしながら念じている「1つになあれ」という想いから、社名を株式会社ユニファイナアレと決めました。今期も変わらず、もみじに負けない熱量で、絵筆を持って『モヤモヤ』を楽しく語り合える場づくりに尽力したいと思います。眠ったハートを燃やすため、暑苦しいと言われても(^^)

*写真は上賀茂神社のもみじです。画像をクリックすると神馬も見れます。

またメールします。

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1つに(Unify)なあれ。
株式会社ユニファイナアレ
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこ