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※今回のOCEANSは、まとめて2つお届け。

こんにちは。
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこです。

上の絵はもう何度描いたか分からない、上司に対する不満の声。

「上司にビジョンが無い」

直属の上司や経営層に対して、一般職の方からも管理職の方からも聞こえてくるこの声。つい先日は、入社したての子ですら「上司にビジョンがない」と言うので思わず「どこでそんな言葉を覚えたの?!」と聞き返してしまいました。

みなさんはこの絵を見てどんな感想ですか?「分かるー!」ですか?それとも「ビジョンはあるけどメンバーは理解していない」それとも「自分もそう思われているんだろうな」でしょうか?

リーダーシップ研修ではよく受講者が「自分はどんなリーダーになりたいか」と理想のリーダー像というビジョンを語る場面があります。

ネガから描きたいわたしは「どんなリーダーになりたくないか」「どんなリーダーが組織をダメにするか」といった問いから話し合ってもらうのですが、するとそこでも必ず描けるのが、この言葉。

ビジョンが示せないリーダーはダメだ

ではネガポジ反転。「あなたはどんなリーダーになりたいですか」と問うと

ビジョンを示せるリーダーになりたい

しかし、そう言われても、絵筆を持ってる私は

ムムム

、、、素直に絵に描けません。

ビジョンって?例えば、どんな絵を描けばいいの?

……

言葉で言うのは簡単だけど、絵の上では、それはまだ未来のリーダー像(ビジョン)ではなく、単なるパッション、宣言に過ぎません。

ただ、そこは研修なので「だからこの後の2日間で、それを見つけて行くんです」という設計になっているからいいんです。でも、普段、組織のメンバーの多くが黙って心の中で「上司にビジョンが無い」と思っていたら。。。

わたしの絵筆は、日頃のビジョンを描く苦しみ「3つのムムム」を伝えずにはいられません。

1)ビジョンを描くのって、難しいんですよ~!
2)ビジョンがあったらあったで、みんな「腹落ちしない」って言うんですよ~!
3)そもそもビジョンって、一人で描く時代じゃないんですよ~!


ビジョンといっても色々ありますが、「会社」のありたい姿であっても、「一つの組織」の目指したい姿であっても、「一つの商品」の未来使われる世界観であっても、今や予測できない未来を一人で描くのは危険な時代。

多様なメンバーが集まって、社外の方も巻き込んで、話し合う場がほとんどです。それだけに「一人一人、思い描いているものが違う。まとまらない。絵に描いてほしい」と呼ばれます。みなさん本当に苦労されている。

一方で「ビジョンが社内に浸透しない」と相談を受け、そのビジョンとなる言葉を見せてもらうと、「あれ?これって単なるスローガンでは?」「ん?目標数字と事業展開だけ?これはビジョンではないのでは」ということもよくあります。

そんな多くの人達が手こずっているビジョンづくりや浸透を、上司一人に求めるなんて。

「10年後20年後のビジョンは、未来を担う若手に創ってほしい」と多様な部署から若手が集められるプロジェクトも当たり前に増えてきましたが、そこでも、超多忙なメンバーからは「ビジョンは上が決めることでしょ」という声が聞こえてきます。

個人的には「え~!誰かが決めたビジョンより、自分でビジョンを創れるほうが嬉しくないですか?!」と言ってしまうのですが、それはさておき、では「上の立場になったら、いきなりビジョンが描けるのか?」「そのビジョンで社内の共感を得られるのか?」。創業ベンチャー社長の話から心動かされるビジョンを描かせてもらった経験は何度かありますが、創業者以外の人から描けたこと、あったかなあ。

そういえば、ある会社の内定者研修で、大学4年生の子たちの対話から描けたビジョンは素晴らしかった。業界の商習慣をバッサリ否定して、お客さまの笑顔が自然と描けて、お金がチャリンチャリンと鳴る絵まで描けて、私までワクワクさせてもらいました。

年齢や年次、役職に関係なく、語り合えるのが「ビジョン」とも言えます。実際、ビジョンを話し合う場を主催するのは管理職とは限りません。入社3年目の女の子に呼ばれてビジョンの議論をお手伝いしたこともあります。

ちなみに「ビジョンは多様な人たちを集めて議論すべきだ、当たり前でしょ」みたいな風潮もありますが、そんな話し合いの場を用意する当のご本人たち、特に経営層や管理職の方たちは必ずこうおっしゃるんです。

「頭のカタい我々世代ではもうムリ。若い人に考えてほしい」
「10年後、オレは会社に居ないんだからさ、責任持てないよ」
「20年後?オレに聞くなよ」


ぎゃはは(^^)。この「あきらめっぷり」最高じゃないですか?「お手上げ!」と言えるこの素晴しさ、伝わるかなあ。この上司の「手放し感」のおかげで、みんなの多様な知が動き出し、自ら考える人が育ち、未来を志向する人が増えていってるんです。

もし管理職の方で部下に『ビジョンが見えない。抽象的で分かりにくい』と言われているんだよね」という方がいたら、以下、オーシャンズの今回の連載も覗いてみてください。「よく見えない」ことこそが価値だったと、わたし自身、改めて気づかされました。

同じモヤモヤも、目線が「目の前」のことだけ見ているときのモヤモヤに比べたら、「未来」に向いているときのモヤモヤは、絵がずっと明るくなります。せっかく「目線を未来に向けられる」ビジョンの対話、上司任せ、他人任せにしたらもったいない。まずは身近な人と未来に目を向けてモヤモヤしましょ。


今回は2つまとめてお届け。あなたなら、どうアドバイスしますか?
「部下に『ビジョンが見えない』『抽象的でわからない』と言われる」

会社員時代の同期でもあるソワッチこと採用・人事の専門家 曽和利光くんの回答を読みながら、「私たちが居た会社では抽象的って悪いことじゃなかった」という実体験をいっぱい思い出しました。そして「誰かが決めたビジョンより、自分でビジョンを創れるほうが嬉しくない?!」と言ってしまう自分の原点はここだったか、なんてことも思い出しました。いい鍛えられ方、してたんだなあ。ソワッチの回答は⇒ こちら

「かつての先輩が部下に。どう対応すれば?」

ソワッチの回答:二つの矛盾した考えに囚われる状態○○○バインド(□□拘束)」をイラストで表現してみたのですが…○や□に入る言葉、ご存知ですか?回答は⇒ こちら 。

またメールします。

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グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこ