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こんにちは。
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこです。 

●アクセス20万超え?!

幻冬舎plusさんで連載させて頂いてる『満員電車で下敷きになりました』がなんと「アクセス数が20万を超えたよ」と連絡をいただきました。「ある週」で、そんな夢のようなことが起きたのですが、さて何話だと思います?ヒントは画像の中のどれかです。答えは→ こちら


●伝わらない、共感されない、腹落ちしてない

毎回ご紹介しているOCEANS連載。 今回のお悩みに「新しい経営ビジョン共感できないという社員をどうしたらいい?」というのがあります。ソワッチこと曽和利光くんは「良いビジョンでも説明の仕方によっては共感されない」とバッサリ言ってくれています。

グラフィックファシリテーションの現場の話を紹介すると、ビジョンに限らず、「伝わらない、共感されない、腹落ちしてない」と言われる時、「長~い絵巻物」を描いている私から言えることは、伝えている内容は「額縁に飾るような、きれいな一枚絵」です。

削ぎ落とされた最終形。特にビジョンコンセプトが発表されるときは、前向き、ポジティブ。綺麗でカッコいい言葉とデザインで、完璧な状態でお披露目されがちです。

でも、初めて聞く人は、「結論」だけはではなく、それまでどんな議論がされてそれに至ったのか、その「過程」を共有してほしいんです。

●結論よりも「過程」に共感する

グラフィックファシリテーションの現場では「絵巻物もセットで」共有してもらっているわけですが、後から見た人は絵巻物中の「どんな絵に食いつく」と思いますか?

共感が速いのは断然、ポジティブな絵より、ネガティブな絵なんです。ありたい姿よりも、「私も、もっとなんとかならないのと思ってた」「このままじゃ本当にまずいと思ってた」という絵を指差して「分かる!」「そうそう」と語り出すんです。

聞かされる側は、ポジティブな話ばかりではなく、モヤモヤ・ネガ・ポジを繰り返した、話し合いそのもののストーリーを体感できて初めて腹落ちできる。情報の共有だけでなく感情の共有もしてほしい。まさに「長~い絵巻物」に描いてきた議論の過程を追体験させてほしいんです。

●共感者を増やすには、ツッコミどころ満載の不完全さで

人を巻き込むとき、大事なポイントは「ネガからポジへ」という順番以外にもう1つ、私自身、絵巻物から学んだこと。それは、絵巻物は「雑で、途中で、不完全」なんです。まとまってない結論でもない。でも、だから「ツッコメル余地がある」←ここがポイントでした。


完璧な「きれいな一枚絵」には突っ込めないんです。 その内容を否定はしない。でも、ワクワクもしなかったら?モヤモヤを残すばかり。それを「腹落ちしてない」と言うのです。発表する側は、入念に準備をして綺麗にまとめてしまいますが、聞き手は、突然一方的に伝えられるので、「受け身」にならざるを得ない。しかも、全員まとめて一回で分からせようとするのでモヤモヤを吐き出す場所もない。

●報告書にまとめないで!雑に不親切に笑ってシェア

絵巻物が、ビジョンやコンセプトの議論で呼ばれるパターンは2つです。

1 ビジョンづくりの最中「言葉がフワフワ、メンバーが考えていることはバラバラ腹落ちしていない」
2 ビジョンをつくった後「社員に共感してもらえない、社内に浸透しない

だから、常にを見込んで、の話し合いの途中から、絵巻物を「参加していない仲間」に共有してもらっています。そのとき「報告書をつくる」のは逆効果。報告書にまとめる=「きれいな一枚絵」になりがちだからです。あくまでも不完全に、不親切なぐらいに、絵巻物だけを「投下」します。



例えば、社内イントラで絵巻物の画像データを共有したり、出社したら実物を見てねと廊下に貼り出したり。ある会社はそのまま会議室に張りっぱなし。ある会社は役員フロアの廊下に張り出しました。役所や役場では、地域の人が見る壁に張り出しています。公民館で話し合った時は、そこは地域の人がヨガ教室や会議に使うからと、そのまま張りっぱなしにして帰ってきました。

●ツッコまれたら、やったー!ありがとー!

その時、全員に関心を持ってもらわなくていいんです。一人でも二人でも興味を持って絵巻物に近づいてきてくれただけで、ありがとうございます!です。そして、向こうから「面白い」とか「そうなのよ」という感想や「これってそもそも何?」なんて質問されたら、もう、やったー!です。無意識に能動的に身を乗り出してくれたサインです。すかさずそこでビジョンの議論や進行中のプロジェクトについて共有するんです。

絵巻物に興味を持って近づいて来てくれる人たちと話していて思うのは、みんなホントは途中から巻き込まれたいんです。ツッコミたいんです。そして、一言、言葉を発した途端、自分ごとに引き寄せるんです。そんな強い共感者づくりから、地道にジワジワ広げていくんです。

●ありたい姿より、問題意識や危機感というネガを共有できると強い

モヤモヤネガネガから共有してもらう本当の狙いは、一人一人に、問題意識危機感、「難しいけれど心からなんとかしたい」と思える問いと出会ってもらうため。

ソワッチの OCEANS内の言葉を借りると(以下、引用)

・人はwhatではなくwhyに動かされる
・「なぜ、変化をしなくてはいけないのか」という意識の準備を行うために
・最初のステップとして、まずは「危機感を生み出す」ことが必要である

●ネガティブな発言ほど、愛がある

ちなみに、ネガティブなことを言う人ほど「吐き出しきる(←全部言わせる)」と途端に最強の共感者や仲間になってくれます。まさに絵巻物の上では「ネガこそ本当のポジが描けてくる」人です。会議に誰を呼ぶかというとき「あの人がいると厄介だなあ」と思われている人ほど「絵巻物がある場にこそ呼んじゃいましょう」と言っています。

愚痴や不満にはハートが描けるんです。それよりも怖いのは無関心。「ふーん」「どうでもいい」という、聞こえてこない心の声ですでも、もっと怖いのは、そんな大勢の無関心層の心に火をつけようと、ビジョンやコンセプトの議論をしている人たちが、きれいな言葉でまとめようとして、無意識のうちに評論家になったり、他人事で語ってしまっている状態です。きれいごとは絵空事。

●そもそも、短時間で納得できるビジョンって、いいビジョンなの?

そもそもいいビジョンって何なんでしょうね。絵筆が「いいビジョンだなあ」と感じるのは、話し合っている人たちの探究が広がって、無限に描ける絵巻物です。簡単には解けないけれど、なんとかしたい問いがあるから、話し合うみんながモヤモヤあれこれ挑戦したくなって、ワクワク無限に未来が描けてくる。そんな感じです(って、伝わらない?)完成したビジョンを受け取った人たちも、モヤモヤワクワク、考えたくなる問いをもらえる。エンドレスで話し合いが続いて絵筆が止まらなくなる時、いつも「いいビジョンだなあ」と唸ってます。


【OCEANS連載】 リーダーたちのモヤモヤ相談室
*画像をクリックすると各記事に飛びます。

「新しい経営ビジョンに共感できない」という社員に、リーダーはどうしたらいい?
ジョン・P・コッターやサイモン・シネックといった先人たちから「その気にさせる」ステップを学びましょう。 こちら

心理的安全性が高いのか?ぬるま湯になってないか?リーダーが持つべき意識とは
組織のぬるま湯は「4つの不安」から出来あがるとのこと。なるほどねー。ソワッチが明朗解説してくれます。→ こちら

Z世代の部下がやる気のないように見える。このままでいいのか?どう育てるべき?
「●●●●●●をするから嫌われる」とソワッチが言い切ってくれてます。爽快!→  こちら ちなみに個人的には「Z世代」は描き飽きてきた感もあり、「α世代」にワクワクしてます。

新卒採用で聞いてはいけない“ガクチカ”質問。面接官は何を聞き出すべき?
人事から面接官を頼まれているみなさん。優秀なアナタほど、そのコミュニケーション能力の高さが仇となっているそう!採用のプロ・ソワッチの具体的なテクニック満載です→ こちら

2022/11/11 弊社14期に入りました。
2009年11月11日「いいねーいいねー」の日を選んで法人化したとき、いつも絵筆を動かしながら念じている「1つに(Unify)なあれ」という想いを込めて、社名を株式会社ユニファイナアレと決めました。そんな初心に戻るために、毎年、設立記念日にブログを書いているのですが(昨年は オンラインワークショップについて)今年は リアルな対面ワークショップに皆が喜んでるという内容です。分かり合える深さがやっぱり違う!

今年5月にお台場に引っ越してきて半年立ちましたが、今日も外で打ち合わせしてきました。温かい日差し(今日は暑すぎた!)、温かい風、波の音、鳥のさえずり、落ち葉の落ちるカサカサという音、ふわふわな砂浜、波の音…今期も、足の裏から指先、背中、耳の奥まで、五感・全身使って、みなさまのモヤモヤワクワクを描いてゆきたいと思います。

またメールします。

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1つに(Unify)なあれ。
株式会社ユニファイナアレ
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこ