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こんにちは。
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこです。 

みなさん、モヤモヤしてますか?

今日のメルマガのテーマは「答えがすぐに欲しい」VS「モヤモヤする力」です。

関心が高まる「モヤモヤする力」

先日、「NHKのクローズアップ現代で『モヤモヤする力』が特集されるよ」と各方面から連絡をいただきました。ご覧になった方いらっしゃいますか?「今晩の特集を見て、ゆにさんを思い出しました」とか「ゆにさんに時代がようやく追い付いてきましたね」とか。特集の趣旨は以下の通り(NHKサイトから抜粋)。

『関心が高まる“モヤモヤする力”。答えの出ない事態に直面した時、すぐに結論を出さずにモヤモヤし続けることが力だという考え方で、海外でも「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉で広がっています。』

そんな世の中になっていたとは~!知らなかった。いつもクライアントさまに「モヤモヤネガネガから描かせてください!」と言い続けている私には、嬉しすぎるタイトル!わたしも慌てて後から拝見しました。詳しい内容はこちらから読めます。→ クローズアップ現代

●「分からない」から逃げない人たち

番組を見ながら私は「ある本」のことを思い出しました。それはわたしの愛読書『世にも美しき数学者たちの日常』(二宮敦人氏著 幻冬社)。本文の中に、数学者の方たちのこんなセリフがあるんです。

「「数学わかる」って人がいたら、その人はたぶんわかってないと思います」
「みんなそれぞれのレベルで「難しい」し、「数学、わからない」と思っているはず」
「数学はのんびり考えて楽しむもの」

書籍の中にはいろんな数学者の方たちが登場するのですが、共通点として彼らは(私の中での解釈は)

「分からない」から「逃げない」人達。
「分からない」を「分からない」ままホールドできる。
「分かる」ために、色々寄り道して調べるクセがある。
「何が分からないか」「ここまでは分かった。ここからは分かってない」を区別するのが当たり前の思考がある人たち。

そして、こんな「数学者」的思考こそが、今、未知の世界を描いていくイノベーションの議論や新しい価値づくりの場で求められていると思うんです。

●「答えがすぐに欲しい」私たち

しかし、ビジネスの世界では「仕事で数字に強くなりたい」とか、「論理的思考を磨きたい」という声が多く、それらを「数字」的思考と例えてみたら、効率的に仕事を進めるのにはすごく優秀だけど、「数学者」的思考とは真逆とも言えます。

わたしがお手伝いするワークショップや研修の主催者からは、以下のような声が必ず聞こえてきます。

「うちの社員は賢いので、研修の意図を汲んで正解を言ってくる」
「メンバーが自分で考えず、上司や専門家に正解を求める」
「クライアントが、やり方ばかり求めてくる」

つい先日も一緒に組んでいるコンサルタントの方が仕切りに「プロジェクトメンバーの若手のみなさんがすぐに答えを出したがるんです。正解を言おうとしちゃう。だから、もっとモヤモヤさせたいんです」とおっしゃってました。

そして実際、グラフィックファシリテーションで、モヤモヤネガネガを吐き出して、みんなと同じ想いを共有し、その裏にある本当のポジティブな思いを見つける体験をした若手からは、こんな言葉をよく聴くんです。

「モヤモヤしちゃいけないと思ってました」

えー!その思い込み、いつどこで出来上がったのー?!と驚いちゃうわけですが、モヤモヤの良くない扱い方には大きく次の3つのパターンがあるようです。

1)モヤモヤしていない。(一見楽しく仕事をしているかもしれないけれど、簡単な仕事しかしていないのか、言われたことしかやっていないのか、割り切っているのか)
2)モヤモヤしているのに、無意識のうちにフタをしてしまっている。
(言えないのか、言わないのか、不感症になってしまったのか。とにかく不健全!)
3)モヤモヤを吐き出しながら、そのまま被害者意識や他責の状態のままでいる。(迷惑!)

とにかく、とっとと、そんなモヤモヤは吐き出させてあげないと!

●「モヤモヤする力」とは「新しいコトを起こす力」

経営者や優秀なコンサルタントやリーダーこそ、モヤモヤしています。未来を見て、現状を見て、「なんとかしたい」からモヤモヤしている。そしてモヤモヤをそのままにせず、なんとかしようとする彼らから「モヤモヤを吐き出させたい」と声をかけて頂いています。

一般的に、グラフィックファシリテーターへのご依頼で多いのは、

「ビジョンを描いてほしい」
「未来の新しい価値観の議論を絵にしてほしい」
「ブランドコンセプトが抽象的なので絵にしてほしい」

といった「ポジティブな議論」を絵にしてほしいと言われることがほとんどですが、経営者や優秀なコンサルタントやリーダーの方は「モヤモヤしてるんだよ」が第一声であることが本当に多いんです。

ポジティブに「ありたい姿」や「未来のアイデア」を語っても、それを実現させる人たちがモヤモヤしたまま、ハラオチしないままでは、きれいごとは絵空事、と誰もが納得してくださる。絵空事に終わらせないために、一人一人が自ら考えて行動してほしいと願うリーダーたちは、まさにモヤモヤから逃げない人たちです。

●モヤモヤ吐き出しワークショップが人気です。

ここ最近は、クライアントさまから先に「モヤモヤ吐き出しワークショップをやりたい」と声をかけて頂けるようになりました。

「腹を割って一度ちゃんと皆で話し合いたい」
「メンバーから仕事が楽しいと聞いたことがない。何にモヤモヤしているのか吐き出してほしい」
「グループ会社の社長たちのモヤモヤを、吐き出させてあげたい」
「管理職に実施したモヤモヤ吐き出しワークショップを、若手にも実施したい」

とっとと、モヤモヤは吐き出し切っちゃいましょう」という私からすると、実は『クローズアップ現代』を見て、相入れない部分がありました。番組内では「すぐに答えを出さない」のが「モヤモヤする力」と定義されていましたが、わたしの口癖は「とっとと1日でケリをつけましょう」。

だって、1つモヤモヤを晴らしたら、新たなモヤモヤはすぐ生まれてくるもの。ただ、次のモヤモヤは進化していくんです。最初は一人でモヤモヤしていたことが、みんなで共有したら、今度はみんなのモヤモヤになっていく。そして、どんどん、ワクワクが入り混じるような、楽しいモヤモヤに進化させていけるんです。

私が扱うのは「一人のモヤモヤ」ではなく「組織のモヤモヤ」。組織のモヤモヤの素晴らしいところは、そのほとんどが実はみな「同じ想い」なんです。モヤモヤを共有できると「自分だけじゃなかった」「みんな思ってることは一緒だった」という声が必ずあがります。

モヤモヤしている相手と共有することで、歩み寄れることもたくさんあります。そして何より「腹を割って話せて嬉しい」というみなさんの笑顔を毎回見ているので、また新たなお客様に「とっとと、吐き出しきっちゃいましょう」と言いたくなるわけです。

簡単ではないけれどなんとかしたい大事な問題に対して、一人ではなく、みんなで、ネガポジ、ネガポジ、を繰り返し進み続けていくことが「モヤモヤする力」。そして、これこそが、ひとりで働くのではなく、チームや組織に所属して働く醍醐味なのではないかと思っています。

みなさんのチームや組織は、モヤモヤ、みんなで共有してますか?

●ただいま準備中「グラフィックファシリテーター(R)入門」

こんな「モヤモヤネガネガからポジへと対話を引き出す」ファシリテーションを学びたい人向けに。「グラフィックファシリテーター(R)入門」を只今準備中です。進捗状況は、 facebook instagramからお知らせします。

【OCEANS連載】 リーダーたちのモヤモヤ相談室
*画像をクリックすると各記事に飛びます。

ChatGPTによって管理職は不要になる?AI時代のマネジメントどうする? こちら

世の中が賃上げしてる「給料への不満を漏らす部下」にどう対応すべき?  こちら

孤立していそうな新入社員に、どう関わるのが正解? こちら

若手が無難に落ち着いてしまう。失敗を恐れるな!と伝えるための4つの方法→ こちら

悪いアンコンシャスバイアスをなくすには内面や意識よりコレを変えるべき こちら

職場での服装を注意したいマネージャーが、ダメ出し前に明確にすべきこと→ こちら


『世にも美しき数学者たちの日常』
(二宮敦人氏著 幻冬社)

ネタバレしない程度に中身をわたしのウラblogで紹介しています。→ こちら

この本は、私が今、幻冬舎plusで連載している漫画『満員電車で下敷きになりました』の担当編集者である袖山マイキーさんが、数学科出身者とお見合いしたことがキッカケで始まった連載を一冊にまとめた書籍なんです。

数学は苦手という方にも、読みやすくて面白い思考の世界☆やわらかくクリエイティブな思考とマインドにぜひ触れてみてください。

幻冬舎plus『満員電車で下敷きになりました』
毎週金曜日16:00更新中
1週間で3万PV超えた!」と連絡が入ったのが左下の第63回「命に別状はありません」。私の心のつぶやきに、3万のうち何人かは共感してくれたと思っていいよね?みなさま、本当にありがとうございます。一人じゃないんだな…こっそり泣きました。詳細は→ こちら

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