※以前名刺交換させて頂いた方に送信させて頂いております。
こんにちは。
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこです。

みなさんの普段の会議に「お互いが気持ちよく発言できるような」ルールや決まり事ってありますか？

ワークショップや研修では「今日の対話のエチケットマナー」とか「今日一日守りたいこと」といった約束事を置くのが当たり前になっていますが、特に「ネガティブな感情を吐き出しきってもらう」ことが大前提のグラフィックファシリテーションの現場では、安心安全な場をつくるために、これ、絶対に欠かせません。

毎回、主催者や事務局の方たちとは「参加者の顔を一人一人思い浮かべながら」結構慎重に、その場にあった言葉を選んでいます。そんなとき、エチケットマナーのサンプルの１つとして「これ、いいでしょ、いいでしょ」と見せているのが、このメルマガのトップに載せた画像（左の文字を絵にしたのが右の絵）件名「怖い顔せんといて～」が入った５か条です。

これ、４年前のワークショップで、事務局である役員の方たちが「若手メンバーたちに日頃のモヤモヤネガネガを思う存分吐き出せたい。各支店から本社に来るだけで、かしこまってしまう彼らに、どうしたら楽しく安心安全に吐き出してもらえるか」とウンウン唸りながら生み出した言葉たちなのです。
１、「さん」付けで呼ぼう（あたり前やけど）怖い顔せんといて～
２、否定しない、傷つけない、遮らない。そんな意見もあるわなあ
３、便乗歓迎！それ、ええやん！
４、本音歓迎！（遠慮しない）そんなん言うてもええんやろか。何ゆうてもええんやで～
５、みんなで楽しむ！なんやかんやで最後は愛やで
「これ、いいと思いません？」と初めて会うお客さまには必ず見せているのですが、おや？この１年、返ってくる反応に面白い変化が。

以前は「便乗歓迎、使わせてもらおう」とか「やっぱり愛ですよね」とか「関西弁っていいな～」みたいな感想だったのが、最近は一点集中。「怖い顔せんといて～」にやたら多くの「いいですねー」という声が集まる。

思うに、リモートワークが増えたせいですね、きっと。事実、最近のグラフィックファシリテーションの現場でも、こんな↓モヤモヤネガネガな声を絵に描くことが増えているのです。
「その仏頂面やめて…話にくい」「目つきがコワい」「面倒くさそうな顔しないで…頼みにくい」「笑わない…」「ビデオoffにしないで…」etc.

相手の表情が全く気にならない人からすると「なんのこっちゃ？」かもしれませんが、画面越しに会話することが増えた今、思った以上に「表情」から人はストレスを感じている。上司に対しても、部下に対しても、オンラインミーティング中の小窓に映る相手の「表情」が気になる人もいれば、久しぶりに対面で打ち合わせした時に以前より敏感に「表情」に反応している人もいる。

そして実際、絵巻物を振り返った人たちからは、自分が上司や部下に対して想っていたことなのに「ドキっとした」「自分が言われてるのかと思った」「気をつけないと自分も怖い顔しているかも」と、「表情」にまつわるネガポジ転換の声が多数聞こえてくるくる。

これまであえて言葉にはしてこなかったけれど、薄々「いやだな～」と感じていたことが、オンライン会議が増えたおかげで明らかになってきた感じです。「表情」が組織やチームに与えている影響力、見過ごせない。何より「無意識な」行為こそ、絵巻物的には最優先でネガポジ反転してほしい。いい絵が間違いなく描けてくるはずだから。

そういえば、グラフィックファシリテーションの現場も「参加者が全員オンライン」という場が増えて、「オンラインならではの」対話のエチケットマナーを（５か条とは別に）事務局の方たちと毎回つくっているのですが、ここでも「表情」が大事な鍵をにぎっていました。

最近人気なのが、オンライン対話のエチケットマナー「あいうえお」。「あいうえお」の中身は各社少しずつ違いますが、見比べてみたら「え」は、どのワークショップも「笑顔で」でした。


「アイコンタクト　うなずく　笑顔で　おへそを向けておしまいまで」
「あいさつ　いいね！　うなずく　笑顔で　オープンマインド」
＊つい先日のワークショップでは「お」＝「おつかれさま！」でした。
無意識に「あいうえお」を楽しく作ってたけど、もし「え」＝「笑顔」がなかったら？「あいうお」だけではツマラナイ！「表情」の力、恐るべし。意識的に使えたら、カチンコチンな頭も組織も、自然とほぐれていく絵が描けてきそう。
ただ、みなさんは「笑顔で」と言われるのと、「怖い顔せんといて～」と言われるの、どちらのほうがシックリきますか。ネガ好きなわたしは「笑顔で」と言われるよりは断然「怖い顔せんといて」のほうが背筋が伸びます。

一方、エチケットマナー「あいうえお」をつくった会社は、私がいくら「怖い顔せんといて～、いいでしょ、いいでしょ」と言っても採用されず、「うちのメンバーはこっちがいいと思います」と言って「あいうえお」をつくりました。そしてワークショップが終わった後も「あいうえお」を普段のオンライン打ち合わせで使っているそう。

参加する人たちの性格や組織文化にあった言葉選びは大事です。

普段の会議で無理に笑顔になる必要はないと思うけど、「お互いが気持ちよく発言できるような」場にしたいとき、そこに集まるメンバーにシックリくる「表情」はどんな言葉がよさそうですか。

個人的には、セミナーや大事な会議で「怖い顔」をして喋っている人を見ると、男女問わず「カッコイー！」と思ってしまうところがあるので（自分がついヘラヘラ笑いながら喋っちゃうので憧れている）、、、エチケットマナーをつくるなら「難しい顔しないでー」とか「表情、カタいよー」とか「口角、上げてー」がよりシックリくるかな。

この１年「心理的安全性」という言葉を描く機会もほんと増えたけど、難しく考える前に、一人一人が気づいたときに「表情」を変えていくだけで、やわらかく、あたたかく、変わっていけそうな気がします。だって、自分の「表情」に気をつけるって、相手を思いやる行為でしかないと思うから。
弊社サイトblogに、「あいうえお」と「怖い顔、せんといて～」のウラ話をアップしました。よかったらこちらものぞいてみてください。

「笑顔で」は、ユニにはちょっと上品すぎて「笑って～」のほうがシックリきますが、双子の弟ユニオは滅多に笑いません。昔は→ こんな笑顔も見せていたのに。今は、たまに笑うと右頬がひきつります。「なんで楽しくもないのに笑顔になる必要あるんだよ」とか言う人です。そんなユニオが、明日、身内だけで結婚式を挙げます。この年齢でデレデレされても困るけど、無表情もまじ困る。頼む、怖い顔せんといて。仏頂面やめて。目だけでも笑って。マスク越しでも、あいうえおー！
またメールします(^^)。

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株式会社ユニファイナアレ
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこ