GF.jp 「そういうことじゃないんだよ」
2021/11/19 (Fri) 15:29
※以前名刺交換させて頂いた方に送信させて頂いております。
こんにちは。
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこです。
会社員時代、よく上司が、
わたしの目の前の席の椅子にまたがって
クルクル回って唸ってました。
「ゆに、そういうことじゃないんだよ」
「じゃあ、こういうことですか?」
「うーん、なんか、もっと、こうさー」
「えーっと、じゃあ、こんな感じ?」
「違うんだよな~」
上司はう~んと天井を見つめながら
クルクルを止めて、椅子から立ち上がり、ニッと笑って
「ほな、次の会議、行ってくるわ」
残されるわたし。
------------------
「そういうことじゃねえんだよ」
わたしの父もよく言ってました。
今は亡きユニ父は、家具職人でした。無口でした。
近所の人とも、家に遊びに来たわたしの友だちとも顔を合わせない父。
小学生のとき「おとーさん、誕生日に何が欲しい?」と聞いたら
「年とって、嬉しいことなんて1つもねえ」と言う父でした。
誕生日に何をしても、お土産に何をあげても、喜ばない父。
それでも口下手で不可解な父に果敢に(?)挑戦し続けた若かりしユニコは、
高2のクリスマスに、紺かグレーの洋服しか着ない父に
「もうこうなったら黒の靴下だ。黒の靴下なら誰だって履くでしょ」
サンタクロースの靴下に見立てて、中にお菓子を詰めて、
赤と緑の包装紙に包んでプレゼントしました。
そしたらなんて言ったと思います?
父は包みの中から出てきた黒い靴下を見て一言
「葬式に履く」。
「せっかく買ったのにぃーッ!」
「そもそも、、、そういうことじゃねえんだよ」
「……?……」
大学生になって海外旅行に行ったとき、
お土産にグレーのポロシャツを買いました。
日頃よく着ているシャツとそっくり。
ブランドのロゴの赤い刺繍が胸に小さく入ってるけど
「これなら着るでしょ」と手渡したら、
今度は何が起きたと思います?
父は私の目の前で、黒いサインペンでその赤い刺繍を塗りつぶしました。
「!!!それがこのポロシャツのポイントなんだけど!!!」
「そもそも、、、そういうことじゃねえんだよ」
「…???」
言葉ではうまく説明できない父は
ただ「そういうことじゃねえんだよ」と繰り返すだけ。
「そういうことじゃねえんだよって、どゆこと?」
------------------
よく分からないまま、社会人になって
でもある時、気づいたら自分も言ってました。
「そういうことじゃ、ないんだよなー」
そうか。あの言葉の意味は
「本当に大事なことは、そういうことじゃねえんだよ」。
流行りや表面的なイベントや世の中の普通に
流されていたわたしに、父が言いたかったこと。
そして今わたしの右手が「絵空事は描きたくないんデス。
そういう上っ面な言葉じゃなくて、みんなの本当の言葉を絵にしたいんデス」
と頑なに抗ってしまうとき、父が言わんとしていた
「そういうことじゃねえんだよ」のその先へ行こうとしている気がします。
上司のあの目の前のクルクルも、
いい教育だったなぁと思います。
「そういうことじゃないってことは…?」と
モヤモヤを残されたわたしは、結局、
家に帰ってもモヤモヤ考えて、
自分の視点の狭さに気付かされ、
企画を練り直して、ありたい形に近づいていけました。
正解が分からない問いをもらって
自分で考えることを自然とやらされていた。
あの時、上司が答えをもっていたら、きっとつまらなかったはず。
という話をしたら「僕だったら聞き流します」
「私なら何が言いたいのか説明してって言うかなー」と言われました。
…アレ(^^ゞ?
------------------
確かにグラフィックファシリテーションの現場でも
メンバーたちのそういう言葉、よく描きます。
いろんな会社で、かなりの頻度で。
「上司の指示が不明確」「具体的に指示してほしい」
「上が決めてくれない」「決めてほしい」
「えー!指示されたいの?!」
「決められて素直に受けるの?!」
と思わず絵筆を持ったまま脊髄反射している
わたしの意見はさておいて。でも、
正解が何か分からないこの時代に、
モヤモヤしていないリーダーなんていないよ。
それどころか、上司とか部下とか関係なく、
モヤモヤできるワクワクな時代だよ。
モヤモヤには2つあります。
下を向いてモヤモヤしているのと、
未来を見てモヤモヤしている2つ。
後者は難しいけどワクワクするモヤモヤ。
ただ、絵筆を動かしながら日々思うのは、
モヤモヤを語らず飲み込んでしまうリーダーも増えた気がします。
オンラインになって尚のこと。
目の前で上司のクルクル姿も見れない今こそ、
普段の会話でもモヤモヤをそのまま言葉にして、
メンバーをモヤモヤさせてあげませんか。
「モヤモヤしてよかったんだ」
「分からないから面白いんだ」と、
他責から自責へ変容していく人たちを
目の当たりにするたびに想うことを、
新しくした弊社サイト「グラフィックファシリテーションとは」
のページのキャッチに入れました。
モヤモヤ晴らしてもっとワクワクするモヤモヤへ。
http://www.graphic-facilitation.jp/whatgf/yunigf/
ちなみに今は「そういうことじゃないんだよ」と
相手の発言の否定(You message)から入ると
嫌われますね、きっと(^^ゞ
私も・俺も「まだモヤモヤしてるんだけどさー」
「何が正しいか分からないんだけど」(I message)
と吐露する感じから始めてみるとか、どうでしょう。
------------------
【竜そば】
今年たまたま高知県に3度も訪れているのですが、
つい先日、映画『竜とそばかすの姫』の舞台になったシーンを、いくつか巡ってきました。
*写真はこちら。映画シーンと比較しています。
http://yunibow.ldblog.jp/archives/52157572.html
いや~(^^)映画の中は宇宙遊泳しているみたいな無重力な世界観でしたが、
リアルもまた、どこまでもつながっている境界線のない世界が広がってましたー。
「リアルかヴァーチャルか」という議論はよくあるけれど、
こうしてバーチャルのおかで、新たなリアルの体験を味って改めて思ったのは
「お互いの相乗効果を実感値を持って語られる場面に意外と遭遇しないなあ」ということ。
「リアルとヴァーチャルの融合」という言葉だけじゃ生き生きした絵は描けない…。
「実体験が足りない?」
「それとも無意識すぎて言語化できていないだけ?」
「SNSの世界では饒舌に語られている?」
リアルもヴァーチャルも楽しめる今という時代だからこそ描ける未来を、
モヤモヤワクワク語り合いたいです。
またメールします(^^)。
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https://www.graphic-facilitation.jp/sns/magazine/
1つに(Unify)なあれ。
株式会社ユニファイナアレ
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこ
https://www.graphic-facilitation.jp/
こんにちは。
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこです。
会社員時代、よく上司が、
わたしの目の前の席の椅子にまたがって
クルクル回って唸ってました。
「ゆに、そういうことじゃないんだよ」
「じゃあ、こういうことですか?」
「うーん、なんか、もっと、こうさー」
「えーっと、じゃあ、こんな感じ?」
「違うんだよな~」
上司はう~んと天井を見つめながら
クルクルを止めて、椅子から立ち上がり、ニッと笑って
「ほな、次の会議、行ってくるわ」
残されるわたし。
------------------
「そういうことじゃねえんだよ」
わたしの父もよく言ってました。
今は亡きユニ父は、家具職人でした。無口でした。
近所の人とも、家に遊びに来たわたしの友だちとも顔を合わせない父。
小学生のとき「おとーさん、誕生日に何が欲しい?」と聞いたら
「年とって、嬉しいことなんて1つもねえ」と言う父でした。
誕生日に何をしても、お土産に何をあげても、喜ばない父。
それでも口下手で不可解な父に果敢に(?)挑戦し続けた若かりしユニコは、
高2のクリスマスに、紺かグレーの洋服しか着ない父に
「もうこうなったら黒の靴下だ。黒の靴下なら誰だって履くでしょ」
サンタクロースの靴下に見立てて、中にお菓子を詰めて、
赤と緑の包装紙に包んでプレゼントしました。
そしたらなんて言ったと思います?
父は包みの中から出てきた黒い靴下を見て一言
「葬式に履く」。
「せっかく買ったのにぃーッ!」
「そもそも、、、そういうことじゃねえんだよ」
「……?……」
大学生になって海外旅行に行ったとき、
お土産にグレーのポロシャツを買いました。
日頃よく着ているシャツとそっくり。
ブランドのロゴの赤い刺繍が胸に小さく入ってるけど
「これなら着るでしょ」と手渡したら、
今度は何が起きたと思います?
父は私の目の前で、黒いサインペンでその赤い刺繍を塗りつぶしました。
「!!!それがこのポロシャツのポイントなんだけど!!!」
「そもそも、、、そういうことじゃねえんだよ」
「…???」
言葉ではうまく説明できない父は
ただ「そういうことじゃねえんだよ」と繰り返すだけ。
「そういうことじゃねえんだよって、どゆこと?」
------------------
よく分からないまま、社会人になって
でもある時、気づいたら自分も言ってました。
「そういうことじゃ、ないんだよなー」
そうか。あの言葉の意味は
「本当に大事なことは、そういうことじゃねえんだよ」。
流行りや表面的なイベントや世の中の普通に
流されていたわたしに、父が言いたかったこと。
そして今わたしの右手が「絵空事は描きたくないんデス。
そういう上っ面な言葉じゃなくて、みんなの本当の言葉を絵にしたいんデス」
と頑なに抗ってしまうとき、父が言わんとしていた
「そういうことじゃねえんだよ」のその先へ行こうとしている気がします。
上司のあの目の前のクルクルも、
いい教育だったなぁと思います。
「そういうことじゃないってことは…?」と
モヤモヤを残されたわたしは、結局、
家に帰ってもモヤモヤ考えて、
自分の視点の狭さに気付かされ、
企画を練り直して、ありたい形に近づいていけました。
正解が分からない問いをもらって
自分で考えることを自然とやらされていた。
あの時、上司が答えをもっていたら、きっとつまらなかったはず。
という話をしたら「僕だったら聞き流します」
「私なら何が言いたいのか説明してって言うかなー」と言われました。
…アレ(^^ゞ?
------------------
確かにグラフィックファシリテーションの現場でも
メンバーたちのそういう言葉、よく描きます。
いろんな会社で、かなりの頻度で。
「上司の指示が不明確」「具体的に指示してほしい」
「上が決めてくれない」「決めてほしい」
「えー!指示されたいの?!」
「決められて素直に受けるの?!」
と思わず絵筆を持ったまま脊髄反射している
わたしの意見はさておいて。でも、
正解が何か分からないこの時代に、
モヤモヤしていないリーダーなんていないよ。
それどころか、上司とか部下とか関係なく、
モヤモヤできるワクワクな時代だよ。
モヤモヤには2つあります。
下を向いてモヤモヤしているのと、
未来を見てモヤモヤしている2つ。
後者は難しいけどワクワクするモヤモヤ。
ただ、絵筆を動かしながら日々思うのは、
モヤモヤを語らず飲み込んでしまうリーダーも増えた気がします。
オンラインになって尚のこと。
目の前で上司のクルクル姿も見れない今こそ、
普段の会話でもモヤモヤをそのまま言葉にして、
メンバーをモヤモヤさせてあげませんか。
「モヤモヤしてよかったんだ」
「分からないから面白いんだ」と、
他責から自責へ変容していく人たちを
目の当たりにするたびに想うことを、
新しくした弊社サイト「グラフィックファシリテーションとは」
のページのキャッチに入れました。
モヤモヤ晴らしてもっとワクワクするモヤモヤへ。
http://www.graphic-facilitation.jp/whatgf/yunigf/
ちなみに今は「そういうことじゃないんだよ」と
相手の発言の否定(You message)から入ると
嫌われますね、きっと(^^ゞ
私も・俺も「まだモヤモヤしてるんだけどさー」
「何が正しいか分からないんだけど」(I message)
と吐露する感じから始めてみるとか、どうでしょう。
------------------
【竜そば】
今年たまたま高知県に3度も訪れているのですが、
つい先日、映画『竜とそばかすの姫』の舞台になったシーンを、いくつか巡ってきました。
*写真はこちら。映画シーンと比較しています。
http://yunibow.ldblog.jp/archives/52157572.html
いや~(^^)映画の中は宇宙遊泳しているみたいな無重力な世界観でしたが、
リアルもまた、どこまでもつながっている境界線のない世界が広がってましたー。
「リアルかヴァーチャルか」という議論はよくあるけれど、
こうしてバーチャルのおかで、新たなリアルの体験を味って改めて思ったのは
「お互いの相乗効果を実感値を持って語られる場面に意外と遭遇しないなあ」ということ。
「リアルとヴァーチャルの融合」という言葉だけじゃ生き生きした絵は描けない…。
「実体験が足りない?」
「それとも無意識すぎて言語化できていないだけ?」
「SNSの世界では饒舌に語られている?」
リアルもヴァーチャルも楽しめる今という時代だからこそ描ける未来を、
モヤモヤワクワク語り合いたいです。
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1つに(Unify)なあれ。
株式会社ユニファイナアレ
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